「愛と追憶の日々」(83年)や「恋愛小説家」(97年)の監督で知られる70歳の大御所、ジェームズ・L・ブルックス監督が、「キューティ・ブロンド」(01年)や「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」(05年)で知られるオスカー女優、リース・ウィザースプーンさんをヒロインに迎えて撮った「幸せの始まりは」が全国で公開中だ。相手役には「ナイト・ミュージアム2」(09年)のオーウェン・ウィルソンさん、人気テレビシリーズ「フレンズ」などに出演していたポール・ラッドさん。さらに、ラッドさんが演じる男の父親役でジャック・ニコルソンさんが出演している。
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女子ソフトボール全米代表チームのキャプテンを務めるリサ(ウィザースプーンさん)は31歳にしてチームを解雇され、ボーイフレンドで能天気なメジャーリーガーのマティ(ウィルソンさん)の家に転がり込む。一方、父親(ニコルソンさん)から経営者を引き継いだジョージ(ラッドさん)は、金融犯罪の容疑をかけられ刑務所行き寸前。最悪の状況のリサとジョージは知り合いの紹介でブラインドデートで知り合い……というラブストーリー。
仕事も恋愛もうまくいかない30代の女性が、新たな出会いとチャレンジ精神で再出発を図ろうと奮闘するロマンチックコメディー……のはずなのだが、全体に勢いに欠ける。ウィザースプーンさんのキャラクターの良さが引き立つのは前向きな女性を演じてこそ。なのにこのリサという女性は、チームを解雇され、「どうしよう困った」と言いながら職探しをするわけでもなく、ただただ悲嘆に暮れるだけ。しかもどちらかというと男性依存型。ひと昔、いやふた昔前ならそんな女性もいただろうが、果たしてイマドキの女子に、彼女の考え方が通用するかは疑問だ。むしろ、ジョージの部下で出産間近のアニー(キャスリン・ハーンさん)にまつわるエピソードの方に、共感する人が多いのではないだろうか。11日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(毎日新聞デジタル)
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