朝鮮戦争で戦った71人の学徒兵のうちの1人が母親に宛てた手紙をモチーフに、実話を基にした韓国映画「戦火の中へ」(イ・ジェハン監督)が19日に全国で公開される。「私の頭の中の消しゴム」(04年)で涙を誘い、最近では中山美穂さんが主演した「サヨナライツカ」(10年)を手掛けたジェハン監督がメガホンをとった。韓国の人気ダンス・ボーカル・グループ「BIGBANG」の“T.O.P”ことチェ・スンヒョンさんが主役を務め、「美しき野獣」(05年)などで知られるクォン・サンウさんらが出演している。
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朝鮮戦争開戦から1カ月あまりがたった1950年8月、北朝鮮軍の猛攻に追い立てられた韓国軍は、最後の砦(とりで)となる洛東江(ナクトンガン)に兵力をつぎ込もうとしていた。それにより、戦略上の要地である浦項(ポハン)の守備を任された71人の学徒兵。彼らの命がけの戦いを描く。
現代劇の作品の約100倍という2トンもの火薬を使用した戦闘シーンは、その凄惨(せいさん)さに思わず息をのむ。そこには、戦況をリアルに描き、観客に戦場の臨場感と学徒兵たちの心情を感じてもらおうというジェハン監督の意図が感じられる。チェさんが演じるのは、守備隊の指揮官を命じられる物静かな少年ジャンボム。ドラマや映画にもなった「アイリス」での冷酷な殺し屋とは打って変わり、今作ではまじめで心優しい少年を好演している。一方のクォンさんは、ジャンボムと対立する不良少年ガプチョ役。このほかに、韓国軍側カン大尉に「アイリス」のキム・スンウさん、北朝鮮側のパク少佐役に「シークレット」(09年)のチャ・スンウォンさんが出演している。19日から角川シネマ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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