ファッションをテーマにした青春映画「ランウェイ☆ビート」(大谷健太郎監督)が公開初日を迎えた19日、東京都内の映画館で瀬戸康史さん(22)、桜庭ななみさん(18)らメーンキャストが募金箱を持って被災者へのチャリティーを呼びかけた。松竹配給作品としては11日の東日本大震災発生後、初めて開いた舞台あいさつで、出演者らの呼びかけに来場した230人の観客のほぼ全員が賛同し募金に協力した。集まった募金は日本赤十字社を通して被災地へ寄付される。
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また同映画のトートバッグ5000個とTシャツ300枚を寄付することも発表された。震災の影響で多数の舞台あいさつが中止となったが、この日は角川映画の「漫才ギャング」が規模を縮小して都内の映画館1カ所で初日舞台あいさつを行った。
松竹は、震災の被害や計画停電の影響で「ランウェイ☆ビート」の公開や舞台あいさつの実施について検討を重ねた結果、余震の危険や交通機関のマヒはひとまず落ち着いたと判断し、17日に予定通りに開催を発表。復興への力になれればと、チャリティーを兼ねて実施することにした。チケットは事前に完売しており、ユーザーからは開催については好意的な意見が多かったという。同社は15日に開催予定だった「スカイライン−征服」の完成披露試写会を中止、26日に公開予定の実話を基にした映画「唐山大地震−想い続けた32年」は公開延期を発表している。
映画は、原田マハさんのケータイ小説が原作。女王様気取りの高校生モデル・立花美姫(ミキティ)からいじめを受けていた犬田悟(ワンダ)に、転校生の溝呂木美糸(ビート)が「お前をクラス一カッコいい男にする!」と宣言。翌日学校に現れたワンダは、クラス全員が目を見張る変身ぶりで、そんなビートに魅了され、クラスは文化祭でファッションショーに挑戦する……というストーリー。ビートに淡い思いを寄せる塚本芽衣(メイ)など、青くほろ苦い恋愛模様も描いている。
ビートを演じる瀬戸さんは被災者に向けて「僕らにできることは少ないですが、少しでも役に立てたらいい。上を向いて支え合って前に進んで」とエールを送り、ヒロインのメイ役の桜庭さんは「1人でも多くの人が笑顔になったり、元気になったり、そういうことを感じてもらえれば」とメッセージを送った。大谷監督は「映画人は映画を通して夢と希望を与えるのが仕事。1人でも多くの人に夢と希望と明日に向かっていく元気を与えることができたらいい」と語った。
ほかにIMALUさん(21)、桐谷美玲さん(21)、田中圭さん(26)、加治将樹さん(23)、小島藤子さん(17)も登壇した。(毎日新聞デジタル)
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