水谷豊:居場所のない父親役で29年ぶり映画単独主演

映画「愛しの座敷わらし」に主演する水谷豊さん
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映画「愛しの座敷わらし」に主演する水谷豊さん

 第139回直木賞候補にもなった荻原浩さんの家族小説「愛しの座敷わらし」の映画化が決まり、家庭でも職場でも居場所がない主人公の高橋晃一役を俳優の水谷豊さん(58)が演じることが27日、明らかになった。メガホンをとるのは「相棒」シリーズの和泉聖治監督。水谷さんは1983年公開の「逃がれの街」以来29年ぶりの映画単独主演となり、「『相棒』を中心にこの10年あまり過ごしてきていますが、『相棒』とは全くちがう世界観の作品をそろそろやってみたいと思っていました。目に見えない幸せがテーマですが、幸せが全国に届きますように、そんな気持ちで取り組みたいと思っています」と意気込みを語っている。

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 「愛しの座敷わらし」は、東京から岩手県の片田舎に引っ越した高橋一家が、精霊「座敷わらし」との出会いを機に、家族のきずなを取り戻していく希望と再生のストーリーで、07年1~11月に朝日新聞に連載された小説が原作。原作者の荻原さんは、映画化について「晴れがましくて、ほっとして、少し気がかりで、娘が嫁に行く気分です」と喜んでおり、「水谷さんは、ドラマ『傷だらけの天使』のアキラ役を演じていたころから好きな俳優さんなので、うれしいです。(「相棒」シリーズの)右京さんがどんな男に変身するのか、楽しみにしています」と期待している。

 水谷さんは「晃一役を演じることが決まってから原作を読み始めたので、なるべく偏らず冷静に、客観的に読もうとしたのですが、そんな思いはあっという間に吹き飛んでしまいました。読み終わって感じたものは、まるですがすがしい『風』でした。幸せはこういうことなのか……と思わせるような。荻原さんの原作に触れたら、映画館に足を運んでもらいたいです」とコメント。水谷さんと「相棒」シリーズでコンビを組んだ和泉監督は、「水谷さんと時折話し合うとき、いつも映画への思いが明確に重なることを感じていました。今までもそうであったように、作品にお互いの情熱をぶつけあって、感動作に仕上げたいと思います」とアピールしている。

 映画は、6~7月にクランクイン、12年公開予定。(毎日新聞デジタル)

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