女優の鈴木杏さん(24)と俳優の高良健吾さん(23)が主演を務める映画「軽蔑」の完成披露試写会が22日、早大の大隈大講堂で行われた。過激なラブシーンなど体当たりの演技に臨んだ鈴木さんは、「この作品は鈴木杏にとってもすごく大きいことで、『軽蔑』に携われたこと、出会えたことは大きいです。胸がいっぱいで……」と感極まって涙を見せる場面があった。「ポールダンスはあざだらけになったり、筋肉痛になったりでとても大変だったし、精神的な面でも大変で。でも、こんな経験が今までなかったので幸せでした。ちょっと強くなれた気がします」と力を込めた。
ウナギノボリ
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映画は、歌舞伎町でポールダンサーとして生きる矢木真知子(鈴木さん)が、夜の街で欲望のままに生きる男・二宮一彦(通称カズ・高良さん)と出会い、情熱的な恋に落ちる。2人はカズの故郷で新しい生活を始めるが、重くのしかかる現実に「ここじゃ、五分と五分でいられない」と引き裂かれる思いでカズの元を去る真知子。愛すれば愛するほど、運命が二人を隔てていき……というストーリー。芥川賞作家・中上健次さんの最後の長編小説を映画化した。
完成披露試写会は、鈴木さん、高良さんをはじめ、廣木隆一監督、原作者の中上さんの長女で小説家の中上紀さんが登場した。廣木監督作品での主演は5年ぶりとなる高良さんは、「廣木組で学んだことが軸になっている。お前がやることが正解と18歳のときに監督に言われました。だからこそ成長した姿を見せたいと思う欲が出ちゃいました」とし、「大変だったけど、あそこで精いっぱいやったことは間違いじゃないと思いました」と笑顔を見せた。
高良さんは、「(鈴木さんは)真知ちゃんのように何をしても受け入れてくれるんです。堂々として見えるし、杏ちゃんと一緒に現場にいると新しい感情が生まれてくる」と絶賛。自身の友達に「杏ちゃんは天才だから健吾がんばれ!」と言われたことも明かした。鈴木さんも、「(高良さんは)迷っていること、壁にぶち当たっているところ、そういうものを全部隠さずに立っている。それがすごいと思いました。健吾くんがカズだから、私が真知子でいられたと思います」とお互いを褒め合った。映画は、6月4日に公開予定。(毎日新聞デジタル)
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