話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、謎の「ごらく部」で活動する中学生4人組と、それを取り巻く生徒会メンバーや生徒たちが繰り広げる日常を描いたなもりさんのマンガ「ゆるゆり」です。「コミック百合姫」(一迅社)編集部の中村成太郎さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
可愛いJC(女子中学生)が部室で、女子中学生がしがちなことをだらだらと行っている……というのを、さも目の前で見ているかのように体感できるマンガです。
あとは掲載誌が「コミック百合姫」という“百合マンガ専門誌”ですが、別に“百合”に興味がない方には全然“百合”に見えませんし、非常に“高度な妄想力”を持った方には濃い“百合マンガ”に見えるという、奥の深い作品……かもしれません。
−−作品が生まれたきっかけは?
最初に、なもり先生にお声がけしたときは、普通に少女マンガ的な“百合作品”をお願いするつもりでした。先生の同人誌を拝見して、すてきな“百合”が描ける方だな、と思っていましたので。それで実際にお会いして打ち合わせをしましたら、面白い視点を持った方だな、と。
それでいろんな話をするなかで、「JC、いいですよね」「最高ですね、JC」「ゆるいの、どうでしょう?」「いいですね、ゆるいの」とあっさり方向転換しまして、「ゆるゆり」が生まれました。
−−編集者として作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変だったエピソードを教えてください。
大変なこと……は特にないのですが、強いて言えば、なもり先生はサービス精神とチャレンジ精神の旺盛な方ですので、逆にそれにストップをかけねばならない場面もあるのが、つらいところではあります。「サイン会だと地方の方は来られませんし……」というお気持ちから、4巻限定版1万部強すべて直筆サインとか、「雑誌に100ページ載ってたらみんな驚きますよね!」と本当に描いてみたり。あとは「アニメ化発表してから放送終わるまで毎月コミックス出たらみんな喜びますよね!」というのを必死で止めて、せめて3カ月連続に……ですとか。この間、「次の雑誌は60ページ全てカラーというのはどうでしょう?」という話をしたら、「それはちょっと……」というご返答で、おお初めての反応だ……と思いました。
うれしいことは……ちょっと作品とは直接関係ないのですが、若い作家さんたちが、先生の真摯(しんし)さを素直に尊敬して、がぜん張り切ってくれていることでしょうか。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
ちょうど放送中のTVアニメ「ゆるゆり」ですが、読者の皆様が期待されている通りの可愛い動きをしていますよ! いろいろとサプライズが仕込んである回もあったりと、仕掛けも満載ですので、ぜひ続けてご覧ください。ちなみにオープニングの曲は、先生も私も、頭の中を延々リピートしてしまって仕事が手に着かないくらいの“中毒”具合です。
そして3カ月連続刊行を締めくくる16日発売の第7巻は、なんと本編も全てまるっと描き下ろしの予定です。というか、そうでないと出ないんですが……なもり先生は頑張りましたので、ぜひこちらもお手に取っていただければと思います。アニメ用に先生が起こしたカラー設定画集と、先生自ら添削していただく「第1回全国統一ゆるゆり模試」も付いた限定版もございますので、そちらもよろしくお願いします。
「コミック百合姫」編集部 中村成太郎
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