映画「座頭市 THE LAST」(10年)などを手がけた阪本順治監督の最新作「大鹿村騒動記」が16日、公開される。長野県に実在する“村歌舞伎”を見せながらの群像劇だ。老いるほろ苦さをほどよい笑いに包み込んでおり、見ていて胸が温かくなる。主演の原田芳雄さんが、自らテーマを持ち込み、「いつか原田さんで主演作を」と思い続けてきた阪本監督らと作り上げた。
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作品の舞台は長野県大鹿村。“村歌舞伎”の花形役者・風祭善(原田さん)は女房に逃げられて1人暮らしだ。公演を控えたある日、善の妻・貴子(大楠道代)とその駆け落ち相手で幼なじみの治(岸部一徳さん)が、18年ぶりに村に帰ってくる。貴子は認知症になり、駆け落ちしたことも忘れてしまったという。あぜんとする善に、治は貴子を返すと言い出す。貴子に振り回される善。芝居の幕は無事開けられるのか……?
出演する俳優は、よく見知った顔ばかりで阪本監督作の常連も多い。だが舞台がローカルなおかげで新鮮な“風”を感じる。何もなさそうな山間の村に、原田さん演じる善のようなテンガロンハットのかっこいいおやじが!?と思わせつつ、幼なじみ役の原田さんと岸部さんが見せる掛け合いは、本当にこの村で生まれ育ったように見える。硬派な役柄が多い佐藤浩市さんも、村のバスの運転手という何気ない役柄でちゃめっ気を見せている。
江戸時代から300年も続いているという村歌舞伎を見ることができるのも醍醐味(だいごみ)で、セットはこうなっているのか、舞台裏はこうなっているのかと、仕掛けも見えて興味深い。舞台の躍動感に酔ってしまう。地元を中心に850人ものエキストラが参加したという村の人たちにも拍手です。16日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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