1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「月刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載、日本刀に魅せられた女子高生が「居合道部」に入部して居合に挑戦するコメディーを描いた土塚理弘さん原作、みなもと悠さん作画のマンガ「ハルポリッシュ」です。
ウナギノボリ
解説:朝ドラ“メガネっ娘”の系譜 過去にもブレークした俳優が
高校の入学式を目前に控えたハルが笑顔で祖父母の家にやってくる。「大人になったらくれる」と祖父と約束した日本刀をもらうためだ。しかし本物だと思っていた日本刀は竹を削って作られた竹光だった。がっくりと肩を落として祖父母の家を後にするハルだったが、日本刀のことが忘れられない。そして入学式の日。刀を振る音に引かれたハルがやってきたのは、居合道部だった……という物語。
「ハルポリッシュ」は「BAMBOO BLADE」の土塚理弘先生原作、「明日のよいち!」のみなもと悠先生作画という共にアニメ化作品を生んだ強力コンビでお送りする美少女部活コメディーです。そしてその部活とは、たぶん少年マンガ初の居合道部! そう、日本刀を持って眼前の架空の敵と対決するアレです。また巻わらなどを華麗な刀さばきで一刀両断にするシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。
居合道部がある学校は少ないと思いますが、実はみなもと先生の母校には居合道部があり、先生自身なんと居合の有段者なのです! ですから居合のシーンも実にリアル。コメディーでありながら武道としての居合もしっかり描かれています。居合は究極的には人を切る事を目的とした部分もあり、その妖しい雰囲気と美少女たちの組み合わせはゾクゾクしますよ!
また、みなもと先生はデビュー前、土塚先生のところにお手伝いに行っていたこともあり、お2人の息もピッタリ。お互いの“うまみ”を引き出しあっています。もちろん“土塚節”も健在です。脱力しながら(!?)物語に引き込む力はすごいです! ぜひこの「ハルポリ・ワールド」をご堪能ください!!
なんといっても主役のハルちゃんの魅力がぎゅっと凝縮された1巻目でした。無邪気でかわいくて天真らんまんな彼女が日本刀を振るううちに我を忘れ、色気と不敵さとが一緒になったような妖しい表情を見せてくれるのですが、これがゾクゾクするほどかっこいいのです。また彼女だけでなく他の部員たちも気になる面々ばかり。特にちびっ子生徒会長ちゃんがお気に入りです。また、興味はあってもちゃんと知る機会のなかった「居合道」の世界を紹介してくれる作品としても、非常に楽しみです。
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