松田美由紀:「新感覚の家族映画」 「MADE IN JAPAN−こらッ!−」で主演

「『家族ゲーム』を彷彿(ほうふつ)とさせるごちゃごちゃ感がにおってきた。高橋伴明監督の作品に出演できてうれしかった」と話す松田美由紀さん
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「『家族ゲーム』を彷彿(ほうふつ)とさせるごちゃごちゃ感がにおってきた。高橋伴明監督の作品に出演できてうれしかった」と話す松田美由紀さん

 京都造形芸術大学映画学科の学生が製作にかかわり、同学科の高橋伴明教授が監督した映画「MADE IN JAPAN−こらッ!−」が、東京・渋谷のユーロスペースで14日まで公開中だ。主演の松田美由紀さんは「新感覚の家族映画だ」と話した。

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 同学科の和間千尋さんが21歳のときに書いた脚本を、1年かけて改稿したとっぴな家族の物語。祖母(松原智恵子さん)の死を境に父・完治は家に引きこもり、母・春子(松田さん)は娘・雛子の幼なじみの青年に入れあげ、何事にも無関心だった18歳の雛子(大西礼芳)は家を壊し始める。

 松田さんは「学生たちの学ぼうという本気と一生懸命さを感じた。初々しくてエネルギーが充満していた」と学生とプロが混在する現場の熱気を楽しんだ。「家族の崩壊劇というより、一人一人が本音をいい、行動している。今の時代にフィットした描き方かも」と話した。

 春子は「青年と暮らす」と家族に告げて家を出る。「無気力だった主婦が、人生に向かって動き出していく。気力が高まり、元気になっていく」という生き方を選択した母親を演じた。ただ、「大人の好き勝手に子どもが引きずられていくのも今の世の中。それではダメで、解放と責任の折り合いが大事」と実際の母親としての考え方も一方にはある。

 変わったタイトルは「プラスチックみたいなぎくしゃくしたイメージ」。「日本製と信じていたものが、実は中国製とか。大事と思ってきた伝統がそうでもないとか。家族も同じ」といい、本作の見方の一端を示した。

 大阪・第七芸術劇場で15日から、名古屋・シネマテークで11月5日から公開予定。 

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