高橋英樹:“桃太郎侍”から「必殺」SPで初の悪役に「一度斬られてみたかった」

 「桃太郎侍」でおなじみの高橋英樹さんが、来春放送予定のスペシャルドラマ「必殺仕事人2012」(ABC/テレビ朝日系)に出演し、俳優人生50年にして初の“悪役”に挑戦することが19日明らかになった。東山紀之さんをはじめとする“仕事人”たちと対決する高橋さんは、「とにかく台本に書かれていることを『より憎たらしく、より怖そうに』やりたい。若くてすてきな仕事人がそろっていますので、見事に殺されたいなと思っております」と意気込んでいる。

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 高橋さんが演じるのは土木屋の棟梁、弥勒坊燕斎(みろくぼう・えんさい)。かつては「世のため、人のため」が口癖の善人だったが、今では、幕府の普請改役と手を組み、監獄であふれかえった囚人たちを護岸工事の人足として雇い、劣悪な環境で奴隷のように働かせ、弱った者から殺していくという人の命を何とも思わない悪人となってしまったという役どころ。「これまでは正義の役ばかりだったので、今回のお話をいただいたときは『ようやくきたか』というのが率直な感想でしたね。これまで悪人を何万人も斬っきて、一度斬られてみたいと思っていたんです。ですから『やった!』というのが第一声でした。悪の神髄を表現したいと思っています」と語っている。

 奉行所の見廻り同心・渡辺小五郎役の東山さんは「(当初は)『高橋英樹さんを斬ってもいいの?』と思いましたね(笑い)。幼少のころから『桃太郎侍』を見て育っていますし、ぼくの母もそれを見て『日本一!』なんて言ってましたから……。高橋さんを斬るなんてしゃれにならないだろうと思いましたけど、胸を借りて思い切りやりたいと思います!」と語り、「経師屋(きょうじや)の涼次」を演じる「TOKIO」の松岡昌宏さんは「まずすぐに台本を見ました。いったい誰が高橋さんを仕事にかけるのかな、と(笑い)。東山先輩には申し訳ないですけど『(自分ではなくて)よかったな』と思ったのが本音です!」とコメント。

 「仕立て屋の匳(れん)」を演じる「KAT-TUN」の田中聖さんは「とにかく『勉強しなきゃ』『盗まなきゃ』と思って撮影に入りました。ぼくは役柄上、途中で捕らえられてしまうシーンはあるんですが、そのときも後ろから聞こえてくるセリフがかっこいいですし、高笑いが悪そうなんですよ(笑い)」と高橋さんの演技に圧倒。「花御殿のお菊」役の和久井映見さんも「セリフひとつ、動作ひとつでも自分の浅さが見えてしまうようで恥ずかしいと思っておりましたが、現場に入ってからは、せっかくご一緒させていただいているので、その大きさに甘えさせていただいております」と語っている。

 72年の「必殺仕掛人」から20年間にわたって放送された「必殺」シリーズは、07年に新たな仕事人(東山さん、松岡さん、大倉忠義さん)を迎えて15年ぶりにスペシャルドラマとして復活。09年には17年ぶりに連続ドラマ「必殺仕事人2009」として放送され(新仕事人として田中聖さんも登場)、好評を博した。昨年7月には、長きにわたって「必殺シリーズ」を支えてきた「中村主水」こと故・藤田まことさんに捧げる「必殺仕事人2010」も放送された。前回の放送から約1年半ぶりに放送される今回の「必殺仕事人2012」では、東山さんら“新生・必殺仕事人”たちが、高橋さん演じる燕斎に立ち向かう。ドラマには、野際陽子さん、中越典子さんらおなじみの豪華キャストに加え、新キャラクターや旬の若手俳優も登場するという。

 東山さんは「今作にも“藤田まことさんスピリッツ”はみんなの心のなかに生き続けています。藤田さんの重厚感や軽さ、人間としてのすばらしさは、ぼくらの中にずっと残って消えることはないので、その世界観を受け継いでいきたいと思います。みなさんに楽しんでいただける作品を作れるよう頑張りますので、どうかご覧ください」とメッセージを送っている。

 スペシャルドラマ「必殺仕事人2012」は来春放送予定。(毎日新聞デジタル)

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