米俳優のブラッド・ピットさん(47)が10日、東京都内で行われた主演映画「マネーボール」(ベネット・ミラー監督・11日公開)の来日記者会見に登場した。ピットさんは前日の舞台あいさつでも話していたように、改めて東日本大震災について触れ、「世界中で常に日本人の粘り強さ、努力の話を聞いているし、私たちは決して忘れていない。皆さんの生きる力、復興にかける思いにインスピレーションをもらっている。心からお見舞い申し上げます」とあいさつした。
ウナギノボリ
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「マネーボール」はメジャーリーグを舞台に映画「ソーシャル・ネットワーク」(10年)の製作陣が集結。現役ゼネラルマネジャー(GM)、ビリー・ビーンの半生と貧乏球団の奇跡を描く。選手からフロントに転身し若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのGMとなったビーン(ピットさん)だったがアスレチックスの成績は低迷。そんなとき、エール大卒のデータ分析が得意なピーター・ブランド(ジョナ・ヒルさん)に出会い、貧乏球団が勝つための突破口を見いだす。そして周囲の反対を押し切り、のちに「マネーボール理論」と呼ばれる戦略を実践していく……というストーリー。
ピットさんは、自身が演じたビリーについて「瞬間的な成功というのは敗北につながる場合もあるし、敗北だと思っていてもそこから学んで次の成功につながることもある。一つの出来事で成功とか敗北を決めることはできないし、そういう態度は今我々が持っている価値観の欠点だと思う。ビリーにとっての勝利とはトロフィーとか新聞の見出しなどではなく、内的に感じた私的な勝利。僕はそんなビリーを尊敬しているんだ」と語った。そして「この映画は、負け犬とレッテルをはられた選手が自分自身の価値を見いだしていく、実は価値があるということが発見されていく映画」といい、「会見では深刻な話ばかりしているけれど、笑えるところもたくさんあって楽しめる映画、そんなに重い作品ではないよ」とフォローし、笑いを誘っていた。
会見終了直前には、元プロ野球選手で現在、プロ野球「東北楽天」のチーフスカウトを務める吹石徳一さんを父に持つ女優の吹石一恵さんが花束贈呈を行いピットさんとともに写真撮影を行った。(毎日新聞デジタル)
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