女優の堀北真希さん(23)主演で12年春に放送されるNHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」がクランクインし、14日にロケ地の茨城県高萩市で報道陣向けに取材会が行われた。役衣装のセーラー服にもんぺ姿で登場したヒロイン・梅子を演じる堀北さんは「ロケ地に来て(焼け野原の)景色を見て頭に浮かんだのは東日本大震災の映像で、悲しい気持ちになった」と話し「梅子は明るいキャラクターだが、戦争というものを実感してしまうとなかなか明るい気持ちになれずに戸惑ったが、物がなくても人と人とのつながりがあるんだというメッセージを伝えられれば」と語った。
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ドラマは、「結婚できない男」「鬼嫁日記」などの尾崎将也さんが脚本を手がけるオリジナルストーリーで、戦後復興と高度経済成長の時代、失敗を繰り返しながらも、一人の女性が地域に根ざした町医者を目指す“女性版赤ひげ物語”。昭和20(1945)年、終戦直後の焼け野原と化した東京・蒲田が舞台。大学病院の医師を父に持ち、優秀な姉と兄の下、自分に自信が持てないヒロイン・下村梅子(堀北さん)が、ある“事件”をきっかけに一念発起し、医師を目指してやがて地域医療に身を投じていく半生を描く。堀北さんは16歳から30代半ばまでを演じる予定で、医師役は初挑戦となる。
NHK美術班が総力をあげて作ったというオープンセットは戦後間もない東京・蒲田を当時の資料を基に忠実にドラマのストーリーに合うように再現したといい、堀北さんは「この世界観に圧倒されるばかり。まだ終戦直後の日本になじんでいないところもあるが、撮影を重ねていくうちになじんでいけたら」と意気込んだ。梅子の母・芳子を演じる南果歩さん(47)は「(茨城県も被災地ということで)いろいろなところで3・11の爪跡が残っている。そこに人が集まり飲食したり人が行き来しないと復興はあり得ない。茨城からスタートできてよかったです」と思いをにじませた。
取材会には梅子の幼なじみ・安岡信郎役の松坂桃李さん(23)、町工場の職人・安岡幸吉役の片岡鶴太郎さん(56)、幸吉の妻・安岡和子役の大島蓉子さん(55)、岩谷可奈子チーフプロデューサーも参加した。放送は12年4月2日から。全156回。(毎日新聞デジタル)
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