第68回ベネチア国際映画祭で日本人初のマルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)を受賞した染谷将太さん(19)と二階堂ふみさん(17)が22日、東京都内で行われた受賞作「ヒミズ」(園子温監督)の完成披露舞台あいさつに登場。2人は園監督からトロフィーを初めて受け取り、染谷さんは「感無量です」、二階堂さんは「感謝でいっぱい。本当にこの現場にかかわれてよかった」と喜びを口にした。
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ヒロインを務めた二階堂さんは「監督から『君が頑張ればレッドカーペットを歩くことができるんだ』と言われたことをベネチアで思い出して、『ああ』と実感した」と受賞時の心境を語った。主演の染谷さんは「はたから見たら戦場のような現場だったけれど、苦しいと思ったことはなかった」と振り返った。
「ヒミズ」は、ギャグマンガ「行け! 稲中卓球部」で知られる古谷実さんが、ギャグを排して描いたシリアスな青春マンガが原作。01~03年に「週刊ヤングマガジン」(講談社)で連載され、コミックスは全4巻が発売されている。平凡な人生にあこがれる中学3年の少年・住田祐一が、ある事件をきっかけに心に闇を抱え、学校へ行かずに「悪いやつ」を捜すようになる……というストーリー。園監督は今回初めて原作ものの実写化を手がけた。
園監督は2人の起用理由を「2人とも自分の限界を勝手に作っていなくて常に可能性、もっと頑張れるはずという情熱とパワーをみなぎらせていた。だから演出するしがいがあるし、どんどん自由を獲得する2人を見ていると、うれしかった」と話した。そして「長いことこの日を待っていた。この場に立って皆さんとこの映画が見られる機会が来たことをうれしく思う」と満面の笑みをたたえた。舞台あいさつには染谷さん、二階堂さんのほか園監督、俳優のでんでんさん(61)、渡辺哲さん(61)が出席した。映画は12年1月14日公開。(毎日新聞デジタル)
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