女優の田中麗奈さん(31)が、お茶の栽培にいそしむ女性を熱演した映画「種まく旅人~みのりの茶~」が3月17日から全国公開される。撮影で実際に農業を体験したという田中さんは「お茶を飲むまでに、こんなに時間と手間がかかるのか」と驚いたようで、「機械を使うときもありますが、大変な重労働は避けられません。おいしいお茶は、農家の方々の努力のたまものなんだと教えられました」と実感していた。
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映画は風光明媚(めいび)な臼杵市を舞台に、お茶の有機栽培を営む人々の姿をさわやかに描く。俳優の陣内孝則さんが16年ぶりに主演を務め、田中さんのほか、吉沢悠さん、柄本明さん、永島敏行さん、石丸謙二郎さんらが出演。田中さんは病に倒れた祖父の代わりにお茶畑を守る孫・みのりを演じている。
全国各地の農家を訪ねては作業を手伝い、酒を飲み交わす大宮金次郎(陣内さん)は、実は農水省の官房企画官。だが、役所と畑では全くの別人で、両方の顔を知るものはいなかった。一方、デザイナーの仕事をリストラされたみのり(田中さん)は、祖父の修造(柄本さん)が暮らす大分県臼杵市にやってきた。そんな2人が修造の営む有機茶園で出会った翌日、修造が突然の病に倒れてしまう。代わりに畑仕事をするはめになったみのりは、市役所農政課の職員・卓治(吉沢さん)から有機農業の大変さを聞かされ、何度もめげそうになるが……というストーリー。
共演した陣内さんについて、「よく冗談をいって現場を和ませる、雰囲気を温めるような方。私もよく笑っていた気がします」と振り返った。また、ロケ中は「薄着で撮影していたので、寒さはつらかったです。でも撮影が終わったあとの温かい食事はいつになくおいしく感じました」と話している。最近は「農ガール」や「農ギャル」のように農業に興味を持つ女性が増えているが、「若い世代の方々が農業を体験したり、趣味にされるのはとてもよいことだと思います。実際に体力もいる作業なので、若い方が携わっていくことで、たくさんの方の助けになると思います」と勧めている。
映画については「なんとなく流されて生きてきたみのりが、茶畑に触れて改めて生きていることに感謝し、答えを見つけていきます。人生の休息時間。見た方の心がお茶を飲んだときのようにホッとできる映画になっていると思います」とアピールした。映画は3月3日に大分、福岡で先行上映を行い、同月17日から全国で公開予定。(毎日新聞デジタル)
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