米歌手のシンディ・ローパーさんが、東日本大震災から1年となる11日、Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区)で、12年のジャパンツアー東京公演を開催。この日の公演の模様は、被災地となった東北3県の映画館でも無料生中継されており、「震災から1年のこの日に、帰ってくることができて感謝しています。みなさん、愛してます。がんばって! 大声で一緒に歌いましょう!」と呼びかけ、「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハブ・ファン」「タイム・アフター・タイム」などアンコールを含む全16曲をパワフルに歌い上げた。
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ローパーさんは昨年3月にも日本ツアーのため来日。震災を受け、多くの海外アーティストが公演の延期や中止を決める中、予定通りに公演を開催。自ら募金箱を手に被災地支援を呼びかけながらツアーを続けた。1年ぶりとなる今回のジャパンツアーは、7日の新潟を皮切りに、東京、大阪、愛知と全6公演を実施。オーチャードホールでの公演は9~11日に開催され、コンサートの模様は、WOWOWが、岩手県、宮城県、福島県の4会場を含む、全国14カ所の劇場で生中継。東北3県の4会場の料金は無料とし、他の会場での収益金は日本赤十字を通して被災地に全額寄付される。
この日の公演では、11年に発表した初のブルースのアルバム「メンフィス・ブルース」の収録曲や「タイム・アフター・タイム」などの名曲を披露。温かく力強い歌声で、会場の2000人の観客を魅了したローパーさん。日本語の歌「忘れないわ」も熱唱し、最後の曲「トゥルー・カラーズ」の前には、「これは癒やしの曲。福島にいるみなさん、私の愛をたくさんの愛と勇気をみなさんに送りたい」と話し、日本語で「がんばって」と呼びかけた。
5日には宮城県石巻市内の小学校を訪問し、桜の苗木10本を贈呈するなど、1年たった今も復興がなかなか進まない現状も目にした。コンサートを前にした会見では、「被災地にも行ったけれど、本当にひどかった。みなさんも被災地に友人がいるかもしれないが、連絡を取って、つながりを持ち続けて。それが本当に大事」と切々と語り、「今起こっていることは、とても困難なことだし、がんばるということも難しいことだけど、みんなの気持ちをひとつにさせたい。一緒に歌ったりして、一体感を持つことで、あきらめずに続けて行こうという気持ちをみなさんと共有したいの」と思いを語っていた。
なお、WOWOWでは、この日の公演の模様を、「シンディ・ローパー ジャパンツアー2012」と題して、25日午後9時からWOWOWライブで放送する予定。(毎日新聞デジタル)
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