國村隼:大河「平清盛」で藤原忠実を好演 「どこか妖怪っぽくていいかな」

NHK提供
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 NHK大河ドラマ「平清盛」の3日放送の第22回「勝利の代償」は、保元の乱がついに終結し、その後が描かれる。5月27日に放送された第21回「保元の乱」で、俳優の國村隼さん演じる藤原忠実が、次男・頼長(山本耕司さん)とともに崇徳上皇(井浦新さん)につき、後白河天皇(松田翔太さん)側についた長男・忠通(堀部圭亮さん)と対峙(たいじ)する様子が描かれた。まゆがなくお歯黒で、さらに顔面をムラのある白塗りにし、「清盛の壁」となる貴族の長として強い存在感を見せる忠実を演じた國村さんに、役への思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 ドラマは、武士が貴族たちから差別されていた時代、武士の新興勢力・平氏の元で育てられた少年が、瀬戸内海の海賊を束ねて“武士の王”となり、貿易こそがこの国が豊かになる道だと人々に説く……という物語。平清盛(松山ケンイチさん)は白河法皇(伊東四朗さん)の“落胤(らくいん)”で、忠盛(中井貴一さん)が養子にしたという設定で描かれる。

 忠実は、藤原道長を先祖に持つエリート一族・藤原摂関家の長。支配階級である貴族の頂点に君臨し、白河院政の下で踏みにじられた摂関家の栄華を取り戻そうと画策するが、長男・忠通よりも、次男・頼長に目をかけたことが、やがて摂関家の分裂を招き、保元の乱を引き起こすことになる。

 忠実を演じるにあたり、國村さんは「実権を握った家柄に生まれたということは、子供時代にどう過ごしたのかを考えた」といい、「たぶん公の場では、一切自分の感情、本音をしゃべれない。これをずーっとたたき込まれてきている」と分析。摂関政治を維持するためには、「自分の息子ですら“道具”として見ている面があると思います」と思慮深く語る。

 一方で、誰もが“自分の感情”を持っているが、「(忠実は)何か感情がわき上がったときに、それをすっと別の形で抑え込んでしまうというメンタリティーを持っているだろう」と考え、「それが見えてくるのが自分の息子との関係」と話す。第21回の放送では、長男・忠通は天皇方、次男・頼長は上皇方に分かれて戦うことになり、悲痛な思いを感じる忠実が描かれた。そして、第22回では戦いに敗北し、逃げ延びるうちに矢で重傷を負った頼長との悲しい結末が描かれる……。

 初登場シーンでは「本当に嫌みったらしかった」という声もあったが、「嫌みったらしくしようとは一切考えていなかった」と明かす。ドラマの中での藤原家の位置づけを考えると、「清盛サイドから見て、壁として存在しないといけない」ということから、「忠実さんっていう人は妖怪っぽくてもいいかな」とニヤリと笑う。最後に、“視聴者への提案”として、「その時代のバックグラウンドみたいなものに興味を持ったら、そのバックグラウンドを前提にしながら見るとより楽しめますよ」とメッセージを送った。

 「平清盛」はNHK総合テレビで毎週日曜午後8時に放送。第22回「勝利の代償」は3日に放送。

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