ダンダダン
第6話「ヤベー女がきた」
11月7日(木)放送分
話題の小説の魅力を担当編集者が語る「ブック質問状」。今回は、田中芳樹さんの伝奇アクション「薬師寺涼子の怪奇事件簿」です。講談社文芸図書第三出版部の岡本淳史さんに作品の魅力を聞きました。
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−−この作品の魅力は?
警視総監も恐れる史上最強の女性警察官僚・薬師寺涼子が凶悪事件や巨大な敵に立ち向かうという警察ホラーですが、傍若無人な作戦で相手をバッサバッサと倒していくところに痛快さがあります。また涼子が発する名言も見どころの一つ。一度読み始めたらやめられないほどの爽快感は、まさにエンタメの王道だと言えますね。さらに見どころをあげるとすれば、今の日本が抱えている問題や国際問題なども物語に絡められている点でしょうか。「笑って学べるニュース」なんてフレーズがあうかもしれませんね。
今作「魔境の女王陛下」は魔都、魔人、魔獣が待ち受けるシベリアが舞台。広い大地で涼子はますます本領を発揮しています!
−−作品が生まれたきっかけは?
田中先生と当時の担当者の間で「近ごろのミステリーの名探偵たちは妙に悪びれる」という話で盛り上がり、「ぜんぜん悪びれない探偵役を出そうか?」ということになったそうです。その後、講談社文庫でフェアのための書き下ろし依頼があり、とにかく犯人に対して情け容赦ない探偵を出そう、人間だけが相手だと物足りないから、おばけの出る話にしようというアイデアが出て、「薬師寺涼子の怪奇事件簿」が誕生しました。
−−ずばり、涼子と、部下の泉田は、くっつくのでしょうか?
涼子と部下・泉田の関係も見どころの一つなので、この質問はファンの皆さまからよくいただきます。担当者の私が申し上げられるとすれば、「神のみぞ知る」といったところでしょうか。あっ、でも、「神は恐れなくていいから、あたしを恐れなさい」って涼子の名言があるくらいですから、神さえもご存じないかもしれませんね。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
田中先生は今でも手書きでご執筆されていて、だいたい1章ずつ原稿をお渡しくださいます。事前に展開を知らされていないため、担当の私も連載作品を楽しむように読むのですが、いつもいいところで章が変わって、次回お渡し分へ。その間、次の展開を予想しても、気持ちいいくらいに裏切られます。想像を超えた面白い展開にいつも大興奮!
また、マンガ家の垣野内成美先生にイラスト制作をお願いしておりますが、挿絵の位置は垣野内先生自らが選ばれています。描かれる方が絵にしたいと思われる箇所だけに、小説とイラストが合わさると、作品にますます魅力が出てきます。トップクラス2人のコラボの過程を目の当たりにできるところも大興奮のポイントです!
大変なところといえば、作品紹介などの文章を考えるときですね。読者の心をつかめる見どころがたくさんあるので、どの部分を抜き出して紹介しようか本当に迷ってしまいます。
−−今後の展開、もしくは読者へ一言お願いします。
4年半ぶりのシリーズ新作、大変お待たせしました! 薬師寺涼子も冒頭で「どんどん事を大きくして、君にも楽しませてあげるから」と発言しています。お涼サマの言葉に偽りなし! 待っていて良かったと思うほどの面白さが満載です。ぜひお読みください!
講談社 文芸図書第三出版部 岡本淳史
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