錦織圭選手:初戦前にウィンブルドンを展望「早く殻を破りたい」 石黒賢がインタビュー

「ウィンブルドンテニス」に出場する錦織圭選手 写真:Press Association/アフロ
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「ウィンブルドンテニス」に出場する錦織圭選手 写真:Press Association/アフロ

 テニスのグランドスラム(4大大会)の一つ「ウィンブルドンテニス」が、ロンドンで開催した。26日の大会第2日目に行われる男子シングルス1回戦で、腹筋のけがから約2カ月ぶりに復帰する第19シードの錦織圭選手に、同大会を生中継するWOWOWのスペシャルナビゲーターを務める俳優の石黒賢さんが現地でインタビューを行った。(毎日新聞デジタル)

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 石黒さん(以下、敬称略):デビスカップでお会いした2月ごろより、体ががっちりした印象があります。

 錦織選手(以下、敬称略):この2カ月は、リハビリも兼ねてずっとトレーニングしてきたので、体はいい感じに大きくなってきているとは思います。

 石黒:4月にバルセロナで腹斜筋(脇腹)をけがしましたが、それはサーブのときに痛めたのですか?

 錦織:徐々に痛くなってきていたのですが、最初はサーブからきたと思います。痛めた直後はフォアもバックもすべての動きが痛くて、何をするにも痛みが出てきたのでやめざるを得ませんでした。

 石黒:約2カ月たって回復の具合はどうでしょう?

 錦織:今は正直90%ぐらいだと思います。あと少し違和感だったり硬さが残っています。痛みはほぼなくなっているのですが、まだ不安もありますし、試合を終えて無事だったら100%といえるのだと思います。

 石黒:欠場した全仏オープンの試合は見ましたか?

 錦織:最後のほうは見ていました。決勝はすごく印象に残る一戦でしたね。

 石黒:どんなことを感じましたか?

 錦織:昔からそうなのですが、試合を見ていると自分がやりたくなってきてしまいますね。あとは、(ラファエル・)ナダル選手の強さがすさまじく印象的でした。

 石黒:ウィンブルドンの前哨戦もエントリーはしていましたが欠場されました。

 錦織:その時期が一番つらかったですね。治るか治らないかのところで、焦る気持ちももちろんありましたし、そんないろんな気持ちが交錯した中で判断をしないといけないので、すごく難しかったですね。

 石黒:約2カ月ぶりにエキシビションマッチで復帰されたわけですが、手応えはどうでしたか?

 錦織:悪くはなかったですね。エキシビションとはいえ、久しぶりのしっかりとした試合を難なくこなせたので、リズムをつかむためにもこのウィンブルドンに向けて、2試合いい形でできたのではないかなと思っています。

 石黒:ウィンブルドンでは日本人初の第19シードですね。そして1回戦の相手はミカエル・ククシュキン選手です。対戦成績は2戦負けなしです。どのように臨みますか?

 錦織:2回勝ってはいますが、リズムがつかみづらい選手といいますか、ミスも少なくストロークがしっかりしている選手なので、どの試合もやりにくかった印象は覚えています。スローなペースから急に打ってきたりとリズムを変えてきたりしますね。実際、芝でどのような戦いになるかはわかりませんが、たぶん今回もストローク戦になると思います。

 石黒:それは錦織選手とタイプが似ているからやりづらいのでしょうか?

 錦織:その可能性もありますね。なんとなく似ている部分はあると思います。

 石黒:一昨年のウィンブルドンでは、1回戦でいきなりナダル選手、昨年は(レイトン・)ヒューイット選手と、ビッグネームとの対戦が続きました。今年はどうでしょう?

 錦織:まだ芝でいい結果を残せていないということが、自分の中で自信につながってこないので、今年か、あるいはいつにせよ早く殻を破りたいという思いはありますね。

 石黒:デビスカップのとき、全豪ベスト8になって変わったところをたずねた際に、「自信です」と答えていました。その思いは変わりませんか?

 錦織:そうですね。やっぱりオーストラリアでのベスト8というのは大きな自信につながっています。「自分は強いんだ」と自分で思えることがすごく大事だと思うので。うまい選手というのは何百人もいますから、その中で自分が強い気持ちで試合に臨むことがどんどんできてきています。今回もウィンブルドンで初めてシードがついてプレーするので、いい意味で頭に刻んでプレーしたいです。

 石黒:相手から研究されてきていることは肌で感じますか?

 錦織:選手によってはたまに研究されているなというのはあります。でもそこをどうにかして勝っていかなければいけないので、燃えますね。

 石黒:100%ではない状態の中、芝という特殊なサーフェスで戦う上で、カギになるショットなどはありますか。

 錦織:基本的なプレーはハードコートと変わらないと思いますが、より攻撃的なプレーをして、自分から仕掛けることが第一ですね。自分のフォアを使ってしっかり打っていくことと、サーブではスライスをいつもより多く使うこと。サーブキープが一番の課題なので、そこをしっかりできるようにしたいですね。

 石黒:ウィンブルドンの後、今年は五輪もロンドンですね。

 錦織:日本人として日本を背負って戦うことのできる大会だと思うので、前回よりいい結果を残してメダルを目指して頑張りたいです。

 石黒:ウィンブルドンでの目標はありますか?

 錦織:けがが再発しない程度に一生懸命やって、その中で結果がついてくればいいかなと思っています。

 石黒:錦織選手にとってのウィンブルドンとはどういうものでしょうか。

 錦織:ほかのグランドスラムとは違う神聖さがあり、毎年新鮮な気持ちで戦えるので、気持ちを新たにプレーできる大会ですね。

 *……WOWOWでは、大会の様子を7月8日まで連日生中継。注目の男子シングルス1回戦「錦織圭対ミカエル・ククシュキン(カザスフタン)」戦は、26日午後7時半からWOWOWライブで生中継する。

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