俳優の山本耕史さんが29日、NHK放送センター(東京都渋谷区)で開かれたBS時代劇「薄桜記」の第1回完成試写会後に登場。初回「密通」(7月13日放送)の上映後に行われた会見で、主人公の剣豪・丹下典膳を演じた山本さんは「この時代に生まれて、こういう生き方をリアルに感じることは無理ですけど、役の中に入るとすごく自然に感じられるのは不思議」としみじみ。剣一筋で生きる典膳について、「日本人の原点のような生き方を教えてくれる人物」と表現し、「演じている山本耕史が勉強させられてるような貴重な体験。触れるだけで幸せ」と感慨深げにコメントした。
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「薄桜記」は、五味康祐さんの時代小説が原作。旗本にして卓越した一刀流の剣豪の典膳(山本さん)は、妻・千春(柴本幸さん)の名誉を守るため、片方の腕を失い、家も断絶してしまう。浪人となった典膳を助けたのが、のちに赤穂藩の家臣となった堀部安兵衛(高橋和也さん)だった。一方、武士としての筋を守る典膳は、吉良上野介(きらこうずけのすけ・長塚京三さん)の用心棒となり、片腕の剣豪として、赤穂浪士たちと向かい合う立場となってしまう……というストーリーが展開する。脚本をジェームス三木さんが担当し、武士社会のおきてにより、愛しながらも別れざるをえなかった典膳と千春とのラブストーリーを描く。
会見には、柴本さん、高橋さん、長塚さん、ジェームス三木さん、佐野元彦エグゼクティブプロデューサーも登場。同局で07年から4年間にわたり放送された人気シリーズ「陽炎の辻~居眠り磐音江戸双紙~」で剣豪を演じ、“殺陣の達人”でも知られる山本さんは、「撮る場所によって腕の位置を変えていくので、両側から映るときにどうしようかすごい大変だった。見えない努力があります」と明かした。一方で、高橋さんからは「僕は山本くんと正反対で、立ち回りを覚えるのに苦労したので、彼の運動神経がうらやましい」と絶賛されていた。
時代劇が少なくなってきた中で、あえて今回取り組むことについて、ジェームス三木さんは、「日本人がものを考えなくなったような気がするので、一度振り返って、我々の先祖はどんなことを考えていたのか確認する。そういう意味では時代劇に意味があると思う」と力を込めた。
ドラマは、BSプレミアムで7月13日スタート。毎週金曜午後8時から全11回放送。再放送は7月15日から毎週日曜午後6時45分に放送。(毎日新聞デジタル)
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