映画「天地明察」(9月15日公開)の滝田洋二郎監督が28日、東京都内で行われた「第67期本因坊就位式」に出席し、「本因坊400年の節目の年に映画が公開されることに縁を感じている」と江戸時代に史上最強の棋士として名をはせた本因坊道策のライバル・安井算哲を主人公にした映画について触れ、「井山裕太本因坊の対局を拝見し、勝負師の顔とはこんなにも素晴らしいものなのかと思った。井山さんは平成生まれの繊細で美しきサイボーグ。これからどんな顔になっていくか楽しみにしています」と井山本因坊に祝辞を贈った。
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第67期本因坊戦七番勝負で初の本因坊位を獲得した井山本因坊は「言葉に表せない喜び。本因坊は歴史があり、偉大な先輩ばかり。少しでもそんな先輩方に近づけるよう努力したい」と語り、滝田監督に「天地明察」と書かれたサイン色紙を贈った。滝田監督は「これで映画も大ヒット間違いなしですね」と映画のヒットを祈願した。
映画は、第31回吉川英治文学新人賞、10年の本屋大賞を受賞した冲方丁(うぶかた・とう)さんの小説が原作。江戸時代前期、囲碁棋士の名門に生まれながら、和算に興味を示し、後に日本で初めての独自の暦「大和暦」を作り上げていく算哲の物語。算哲を人気グループ「V6」の岡田准一さん、ヒロインの村瀬えんを宮崎あおいさん、算哲の理解者で協力者の水戸藩主・水戸光圀を中井貴一さん、会津藩主で算哲に改暦事業を命ずる名君・保科正之を松本幸四郎さん、算術塾の主・村瀬義益を佐藤隆太さんが演じる。
徳川家康が碁打ちに家禄を与え、家元制度を導入してから今年で400年を迎える。映画で岡田さんが演じる算哲は囲碁の家元の一つである安井家に生まれ、碁打ちとしても活躍。映画にはライバル・本因坊道策も登場する。
井山本因坊は89年生まれ。日本七大タイトルのうち、本因坊、天元、十段、碁聖のタイトルを同時に獲得し、最年少で4冠を達成した。 (毎日新聞デジタル)
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