東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催中のマンガの祭典「コミックマーケット(コミケ)83」の「コスプレエリア」では、人気キャラクターにふんしたコスプレーヤーが自慢の衣装を披露している。昨年夏には“長もの”と呼ばれる小道具の使用を認めるなど近年大幅な規制緩和が図られてきたが、今回からは増加するコスプレーヤーに対応する形でコスプレを撮影できるエリアも大幅に拡大され、より多くの参加者が気軽にコスプレを楽しめるようになった。
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前回までコスプレの撮影は、会場内の庭園や屋外展示場など“コスプレ広場”と呼ばれていた3カ所に限定されていたが、コスプレーヤーと撮影者で絶えずごった返していた。しかし、今回から新たに西ホール周辺とアトリウム、東ホール周辺も撮影可能エリアに加わり、名称も“コスプレエリア”に変更された。主催の準備会によると、前回の「コミケ82」では約2万人のコスプレファンが集まるなど、年々参加者が増加しており、従来の“コスプレ広場”ではキャパシティーに限界があるため、エリアを拡大したという。
また、コミケでは、30センチを超える長さの小道具の持ち込みを禁止するなど、コスプレを許可しているイベントの中でも厳しい制限が設けられていたが、11年夏の「コミケ80」から“表現の幅を広げる”目的に、分解して持ち運べることを条件に、高さ2メートル以内、幅1メートル以内の小道具の持ち込みを許可。露出については女性の胸は3分の1程度までの露出で下着の着用を義務付けるなどガイドラインが明確化された。今回は、さらに銃刀法に違反しない範囲で武器を模した小道具が使用できるようになるなど、一層の“規制緩和”が図られた。アニメやマンガでは、長い剣などの武器を持っているキャラクターが多いこともあり、こうした規制緩和によってポージングやパフォーマンスの幅が広がった。
主催の準備会は今回、さらに規制を緩和した理由を「コミケは他のイベントと比較すると(コスプレの)制限が厳しかったが、参加者の表現の幅が広がること、規制緩和が進んでいる時代性を考えた」と説明。コスプレタレントの綾川ゆんまおさんも「武器もキャラの大きな要素なので、コスプレで武器を持つことによってキャラへの愛情を表現できる」と話すように、コスプレファンは規制緩和を歓迎しているようだ。
コミケでは毎回、そのときの流行を反映したコスプレが披露されるが、今回は人気の「魔法少女まどか☆マギカ」や「プリキュア」シリーズに加え、アニメ化された人気マンガ「マギ」や話題を集めた京都アニメーションの「中二病でも恋がしたい!」などが人気を集めていた。また「ソードアート・オンライン」など“長もの”を持ったキャラクターが登場する作品も人気で、ファンは大きな武器を使って思い思いにパフォーマンスやポージングを楽しんでいた。
コミケでコスプレをするには1日当たり800円の登録料が必要。撮影者は三脚やレフ板などの使用が制限されている。(毎日新聞デジタル)
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