SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第8話 弱虫で泣き虫!人魚姫しらほし
12月22日(日)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに100万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが名作を紹介する「乙葉しおりの本の小道」。第109回は楠山正雄の「山姥の話」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。
中学・高校では卒業シーズン、私の通う学校でも先日卒業式が行われ、朗読倶楽部メンバー総出でお手伝いをしてきました。学校生活最後の日、卒業生の座る席からはすすり泣くような声も聞こえてきて、舞台袖で進行アナウンス役をしていた私も思わずもらい泣きしちゃいました。
ちなみに隣に座っていた部長さんからもすすり泣くような声がしたので、同じくもらい泣きしたのかとそっと様子をうかがって見たら、ティッシュを箱ごと持ってひたすらはなをかんでいました……(^-^; どうやら鼻風邪で、この季節に起こりがちな花粉症ではなかったようですが……。
さて、卒業と言えば思い浮かぶもののひとつに「卒業文集」があります。「学校生活の思い出」や「将来の夢」などテーマはさまざまですが、皆さんはどんな文章を書きましたか? いざ書くとなると「面倒だなあ」とか思ってしまうこともあるかもしれません。けど、その時どんなことを考えていたのか、後々になって自分を振り返ることのできるよい機会なんじゃないかと思うんです。
……とは言ってみたものの、私の場合、学校生活の思い出はたくさん書けそうですが、もし将来の夢や目標がテーマだった場合は、ちゃんと書けるかどうか……ちょっと小学校・中学校の時の卒業文集を読み直して、自分を見つめ直してくることにします……(^-^;
では続いて、朗読倶楽部のお話……。朗読倶楽部顧問・癸生川新先生のこと・第7回です。
先生の案内で録音スタジオにお邪魔させてもらった私たち朗読倶楽部。いろいろ見学してみたり、質問させてもらったりしたい気持ちはあったものの、せっかく貴重なスタジオの時間を割いていただいたのですから、まずは本来の目的を果たさないといけません。
収録を行う場所は、録音機材とそれを制御する方たちが入る「コントロールルーム」と、声を出す人が入る「録音ブース」の二つの場所に分かれていて、声を出す私たちはさっそく録音ブースにお邪魔することになりました。
この時、部長さんがブースに入る前に深々とお辞儀をしたので、後に続くみかえさんと私もスタジオの礼儀なんだと思って同じようにお辞儀をしたら、先生とディレクターさんに笑われてしまいました……。でも、「夢に見た場所だから敬意を払った」と言う部長さんの大まじめな表情には普段と違う真剣さがあって、まだ中学生なのに目標がしっかりしている部長さんはやっぱりすごい人なんだなと感じた一幕でした。
さて、こういう専門の場所なら今まで苦労していたノイズに悩まされることもなく、スムーズに収録できると思っていたのですが……、まだまだ一筋縄ではいかない試練がこの後、私たちに襲い掛かってくるのです……。と、いうところで、今回はここまでです。 次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 楠山正雄「山姥の話」
こんにちは、今回ご紹介するお話は日本の妖怪「山姥(やまうば)」を題材にした再話文学、楠山正雄さんの「山姥の話」です。「やまんば」とも読み、その昔女子高生の間で流行した「ガングロ」と呼ばれるメークの別名も、この妖怪が語源になっているのだとか。
「山姥の話」は、楠山さんの著書「日本童話宝玉集・下巻」(1922年)において「諸国童話」の中の一編として発表されました。その内容は山姥にまつわる二つのエピソードで構成されています。
「山姥と馬子(まご)」
馬子(馬を使った運び屋さんのこと)の馬吉さんは、たくさんの大根を積んだ馬と一緒に家へ帰るため、山の中を歩いていました。すると背後から山姥に呼びとめられ、「大根をおくれ」と言われます。恐ろしくなった馬吉さんが言われるままに大根を差し出すと、山姥はもう一本、もう一本と、馬が背負っていた100本あまりの大根を残らず食べてしまった上、さらに「馬の足を一本」と言い出して……。
「山姥と娘」
ある日、10歳になる農家のひとり娘が家でお留守番をしていると、山姥が押し入ってきて、ご飯をよこせと言いました。用意したご飯を山姥が食べている隙に、娘はそっと家の外へと逃げ出しました。娘がいないことに気付いた山姥は、たいそう怒って追いかけてきます。小さな女の子がいくら逃げたところで山姥の足にはかなわず、娘は逃げる先々で出会った人に助けを求めるのですが……。
「山姥」とは、山に住むおばあさんの姿をした人食い妖怪だと言われています。「山姥の話」に登場する山姥はどちらもおなかをすかせていますが、これは飢饉(ききん)のとき、口減らしのために老婆が山に捨てられたという「姥捨て伝説」が影響しているようです。
山姥の正体には複数の説があり、地方によって伝承は異なっています。有名な一例を挙げると、以前ご紹介した昔話「金太郎」で登場する金太郎さんのお母さんが、実は山姥だったという説があるんですよ。ほかにも地方ごとに異なるお話がありますので、興味を持たれた方は、全国の山姥伝承を読み比べてみてはいかがでしょうか?
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして有料配信しています。
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