アーティストのデーモン閣下が23~30日に沖縄県宜野湾市、那覇市など県内各地で開催された第5回沖縄国際映画祭の審査員として同映画祭に初参加した。米のジョエル・シュマッカー監督を審査委員長に据え、女優で映画監督の桃井かおりさん、カナダのクロード・ガニオン監督とともに審査員を務めた閣下に話を聞いた。(毎日新聞デジタル)
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−−映画祭の審査員を務めた感想を教えてください。
一言で言えば大変面白い。初めての経験ということもあるが、初めてでなくても面白いんだろうね。えりすぐりの作品を短期間にまとめて見ていく作業というのはとても面白い。
−−審査員としてのご自身をどう位置づけていますか?
いろいろな視点があると思うけれど、わが輩は「好きか嫌いか」ということからは離れられない。一般的な目線の代表なのかなという気がしている。普通の人の目線で、(その映画が)楽しめるかという点、流れや雰囲気という点から見ている。
−−桃井さんも審査員を務めていますが、どんなやりとりが展開されていたのでしょうか?
ごく自然。(審査員がそれぞれ)みんな見ているポイントが違う。俳優、ストーリー、技術など。桃井女史は女優であり、映画監督もなさっているので、意外にも監督目線が多い。桃井女史が「あそこのあのシーンはこういう技術が秀逸で……」みたいな説明をしてくれて、わが輩は「おお、そうですか、なるほどねー」といった感じのやりとりをしていた。
−−閣下が好きな映画を教えてください。
チャプリンの「モダン・タイムス」や黒澤明監督の「用心棒」「椿三十郎」。一方で「シザーハンズ」や「ローマの休日」「ライフ・イズ・ビューティフル」「冒険者たち」「愛と青春の旅だち」が好きである。ちょっとせつない感じの映画が好き。(ホラー映画の)「サスペリア」とか言ってほしかったでしょ?(笑い)
−−同映画祭の魅力は?
地域との密着度と未知の才能を発掘するという点で、未来を見据えて地域や人々の役に立てる存在になりたいという思いを強く感じる。例えば審査委員長を務めているシュマッカー監督が「レッドカーペットを何百回も歩いているが、今回のレッドカーペットは素晴らしい」と言っていた。「どうしてですか?」と聞いたらシュマッカー監督は「お客さんが握手やサインを求めていて、それはどこの映画祭でもそうなんだけれど、(同映画祭は)お客さんが熱狂的に拍手をし、列がずっと続いている。こんなに熱いのは初めて」と言っていた。この映画祭が地域に根ざし、歓迎されていることに、ほかの審査員も驚いていた。
−−沖縄への思い、印象を教えてください。
文化と歴史に関していうと、いわゆる「日本」ではないんだろうなと思う。琉球王朝だったわけだし、文化的にも独立している。そしてある時期から日本の一地域になり多くの犠牲を強いられ、今もその状況は続いている。本土に住んでいる日本人はもっと沖縄について知らなければいけないと思う。「日本人」「日本」という国の立ち位置を見つめ直すための場所でもあると思う。
−−今後の映画との付き合い方をどう考えていますか?
今の状態でいいと思う。映画ファンであり、機会があれば撮影をしたり……審査員も初体験だったがまたやってみたい。
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