注目映画紹介:「HK 変態仮面」 ジャンプ黄金期の連載マンガがまさかの初映像化

「HK 変態仮面」の一場面 (C)2013「HENTAI KAMEN」製作委員会
1 / 6
「HK 変態仮面」の一場面 (C)2013「HENTAI KAMEN」製作委員会

 風変わりな設定とビジュアルで人気を博した、あんど慶周さん原作のマンガ「究極!!変態仮面」が実写映画化。「HK 変態仮面」(福田雄一監督)が、6日の先行公開に続き13日に全国公開された。1992~93年に週刊少年ジャンプ(集英社)で連載され、わずか1年余りの連載期間ながら多数のファンを持つマンガが原作。女性のパンティーを頭にかぶることで能力が飛躍的にパワーアップする主人公など、特異な内容のため、映像化不可能といわれていたが、原作のファンで映像化を熱望していた俳優の小栗旬さんの声がけにより、「勇者ヨシヒコ」「コドモ警察」などを手がけた福田監督を迎えて初映像化が実現した。主演は小栗さんが指名した鈴木亮平さんが務め、自身は脚本協力として参加している。

あなたにオススメ

 ドM刑事とドS女王様の間に生まれた紅游高校拳法部に所属する色丞狂介(鈴木さん)は、ある日、一目ぼれしてしまった転校生の姫野愛子(清水富美加さん)が銀行強盗事件に巻き込まれる場面に居合わせる。人質にされた彼女を助けるため、覆面をかぶり変装して強盗に近づこうとするが、かぶったのは女性用パンティーだった。ところがその瞬間、狂介はこれまでに感じたことのない感覚が体中をよぎり、潜在能力が100%引き出された超人“変態仮面”に変身する……という展開。

 パンティーで顔面を隠し、全裸にブリーフと網タイツだけという衝撃的なスタイル。そんな称賛されないヒーローが主役の作品がアニメ化すら通り越して実写化されるとは、本当に“まさか”の一言が似合う。主演の鈴木さんが1年以上にわたり行った肉体改造によって再現された変態仮面のビジュアルは原作そのもので、その完成度には驚かされる。冒頭の片瀬那奈さんが演じるSM女王登場シーンにはじまり、ムロツヨシさんや安田顕さんらのテンションの高い芝居は見応え十分。某アメコミ映画のパロディーを思わせるシーンなどの監督とキャストによる笑いの仕掛けやクオリティーの高い変態仮面の決めポーズや必殺技で思い切り笑わせてくれる。主人公の葛藤やアクションなど、内容はヒーローものなのに、この作品を当てはめると爆発的な笑いを生み出す。何も考えずに心の底から楽しめる作品だ。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/毎日新聞デジタル)

写真を見る全 6 枚

映画 最新記事