注目映画紹介:「グランド・イリュージョン」 イリュージョニストたちが仕掛けるトリックにクラッ

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 「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)で注目を浴びたジェシー・アイゼンバーグさん主演の映画「グランド・イリュージョン」(ルイ・レテリエ監督)が25日から全国で公開された。4人のマジシャンが見せる前代未聞の盗みのテクニック。しかしそこにはもうひとひねりあり……と、観客をあっと驚かせる趣向が凝らされた娯楽作だ。

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 「フォー・ホースメン」を名乗る4人のイリュージョニストチームが、米ラスベガスでショーをしながら、パリにある銀行から320万ユーロもの大金を盗み出した。その後も4人は、FBIやインターポールの追跡を軽々とかわし犯行を重ねていく。果たして彼らの手口とは? また本当の目的とは……という展開。

 「フォー・ホースメン」は、リーダー格でトランプマジックの名手アトラス(アイゼンバーグさん)、トランプ詐欺のジャック(デイブ・フランコさん)、脱出の天才で紅一点のヘンリー(アイラ・フィッシャーさん)、そして、相手の心を自在に操ることができるメリット(ウディ・ハレルソンさん)の4人。彼らそれぞれが得意分野を駆使しトリック犯罪を仕掛けていくのだが、その手口には本当に驚かされる。例えば、無作為に選んだショーの見物客をパリの銀行の金庫室に“瞬間移動”させ、金庫から盗んだ金を自分たちがいる会場に降らせる。カラクリは絶対にあるはずなのに、それはもちろん見抜けない。しかもストーリーが二点三転するから、最後に種明かしをされてもすぐには理解できず、見終えた後、しばらくはポカンとしていた。あとから思い返し、ああそういうことかと納得した次第。

 アトラス役のアイゼンバーグさんは、「ソーシャル・ネットワーク」ではオタクにしか見えなかったが、今作ではカジュアルな(“乱れた”ともいう)ヘアスタイルの、無精ひげを生やした“やさぐれ”男に化けており、意外とイケメンなんだなと見直した。また、「フォー・ホースメン」を逮捕するのに躍起になるFBI捜査官のディラン。演じるのは、「アベンジャーズ」のマーク・ラファロさんだが、アンニュイな雰囲気をたたえ、男のフェロモンをまきちらす彼には、いつもながらクラクラさせられた。25日より新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。

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