柴田恭兵:岡田准一の演技は「美しい」  「軍師官兵衛」で父親役

「軍師官兵衛」で黒田官兵衛の父・黒田職隆役を演じる俳優の柴田恭兵さん=NHK提供
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「軍師官兵衛」で黒田官兵衛の父・黒田職隆役を演じる俳優の柴田恭兵さん=NHK提供

 人気グループ「V6」の岡田准一さんが豊臣秀吉の軍師として知られる黒田官兵衛役で主演を務めるNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」が5日、スタートする。官兵衛の父・黒田職隆(もとたか)役を演じる俳優の柴田恭兵さんは、「岡田君はとっても美しい。それはとっても大事なこと」と主演の岡田さんの印象を語った。大河ドラマ出演は、「武田信玄」(1988年)以来、26年ぶりとなる柴田さんに、岡田さんとのエピソードや作品に懸ける思いを聞いた。

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 ◇岡田准一の演技は「美しい」

 岡田さん演じる官兵衛について、「とってもみずみずしい官兵衛で、とってもセクシーで、すがすがしくて、美しくて……」と表現する柴田さん。撮影現場では、岡田さんと「細かいこと」を話しているといい、「動きも大事だけど、シーンの持っている一番伝えたいニュアンスがとても大事で、岡田君はそれを第一に考えていて、すごく大事に思っている」と岡田さんの演技について話す。柴田さんも同様の考えを持っているといい、「(一緒に)やっていて楽しい」と笑顔を見せる。

 たとえばあるとき、台本では「泣く」シーンではなかったが、岡田さんが芝居で涙を流したこともあった。「彼が美しい心で、美しい目から、はらりと一筋の美しい涙を見せた。泣くことがいいとか悪いではなく、美しい涙だったと思う」と振り返りながら、「笑顔も、つらい顔も、演技も美しい」と表現する。

 ◇時代劇「好きじゃなかった」

 大河ドラマは、「山河燃ゆ」(1984年)、「武田信玄」に続いて3回目の出演となる柴田さん。久々の時代劇作品出演について、「あまり時代劇が好きでないというか、実は苦手なんです……」と率直な思いを明かしながらも、「お話をいただいて、手応えのあるものに参加したい。久しぶりの時代劇も楽しいかなと思って」とオファーを受けた理由を説明する。

 2013年8月末にスタジオでクランクインした柴田さんは、時代劇の演技について「お芝居に意外と幅がある」と話し、「時代劇って面白い、とこの年になって感じている」「やっていて面白い。若いときには分からなかった」と自身の変化を語った。

 ◇俳優業での変化

 俳優業においても変化があった。柴田さんいわく「若いころ」には、「もっとできるんじゃないか」という思いから、「カットがかかるたびに、もう一度やらせてほしいとずーっと思っていた」と明かす。しかし、現在は「どんな芝居でもそれは柴田恭兵でしかないし、それ以上でもそれ以下でもない。やったことに対して出し切ろうと思って臨んでいるので、あんまり後悔しないようになった」という。

 その転機となった作品として、NHKドラマ「ハゲタカ」を挙げた柴田さんは、「撮影の途中でがんが見つかり、緊急手術をしなくてはいけなくなり、代役をお願いしたんです」と当時を振り返る。しかし、NHKのスタッフは代役を立てず、「帰ってくるのを待ちます」と言ってくれたといい、「復帰したとき、本当に温かい拍手で迎えてくれて、とてもうれしかった。そんなことがあって、先もあまり長くないなというのと、できるだけすてきな作品に、どんな作品でも悔いのないようにやろうという思いがありました」と自身の変化を語る。最後に、柴田さんは「カッコいいなあと思ってもらいたい。美しさがない分、カッコよさで僕は頑張ろうかなと」とユーモアたっぷりに視聴者に呼び掛けた。

 黒田官兵衛は、戦国時代末期に“天才軍師”と称され、信長、秀吉、徳川家康の三英傑に重用され、九州・福岡藩52万石の礎を築いた人物。官兵衛が30歳のとき、39歳の秀吉と出会って意気投合し、義兄弟の契りを交わす。本能寺の変で信長亡き後は、官兵衛が秀吉を支え、天下取りを目指した。脚本は、NHKで「陽だまりの樹」(12年)などの時代劇を手がけた前川洋一さん。秀吉を竹中直人さん、信長を江口洋介さん、官兵衛の最愛の妻・光(てる)を中谷美紀さん、官兵衛の息子で福岡藩初代藩主の黒田長政を松坂桃李さん、官兵衛を導く軍師・竹中半兵衛役を谷原章介さんが演じる。

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