2013年10~12月にドラマ版が先行放送され、映画版「猫侍」が1日、公開された。舞台は幕末の江戸。コワモテの剣豪が猫との出会いを通して変わっていく姿と、猫派VS犬派の抗争を描き出す。“猫侍”斑目久太郎を演じるのは個性派俳優の北村一輝さん。ヒロインを蓮佛美沙子さんが演じる。そのほか、寺脇康文さんや温水洋一さんらベテラン勢が脇を固める。「マメシバ一郎 フーテンの芝二郎」「幼獣マメシバ」(13年)などのスタッフが手掛ける。
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時は幕末。斑目久太郎(北村さん)は、妻子を故郷に残して、江戸で暮らす。“まだら鬼”の異名を持つ剣豪だが、今や浪人の身となり、傘張りで生計を立てている。ある日、犬派・米沢一家の若頭・三郎太(戸次重幸さん)がやって来て、敵対する猫派・相川一家の親分が可愛がっている猫の暗殺を依頼される。金につられて仕事を引き受けた久太郎。相川の屋敷に忍び込み、猫を斬ろうとするものの、そのあまりの可愛さにやられてこっそり家に連れて帰る。そのことがきっかけとなり、久太郎は犬派と猫派の抗争に巻き込まれていく……という展開。
北村さん演じる“猫侍”が眉間にしわを寄せて歩く姿はとがったオーラが全開だ。他人を寄せつけない久太郎だったが、心根の優しさを見透かされたかのように、猫がなついてしまう。といっても猫は、犬と違ってえさをくれるからなつくというものでもない。久太郎が猫の玉之丞にえさをやるのに四苦八苦する姿は、猫の習性をとらえた、“いかにも”なシーンで笑える。玉之丞は久太郎だけでなく、猫番のお梅(蓮佛さん)の心のすき間も埋めてくれる存在だ。「テルマエ・ロマエ」から「日本の悲劇」(ともに12年)まで、幅広い作品で活躍する北村さんが、猫の世話に振り回されるちゃめっ気を出しながら、猫を抱いての殺陣のシーンでは、ビシッとした迫力で場面を決める。このシリーズのことだから、ユルい空気が漂う作風なのだが、猫派と犬派の決闘の場で一気に緊張感が高まり、ハラハラする。だって「猫ちゃん、大丈夫かなあ」と気になって……。結局、久太郎同様、玉之丞にやられちゃう映画だ。シネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。
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