米マーベルコミックを題材とした映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(ジェームズ・ガン監督)が13日に公開される。主人公が“無限の力”を持つパワーストーン「オーブ」を盗んだことから闇の存在に命を狙われ、全員が犯罪歴のあるおたずね者ばかりで構成されたチーム「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とともに宇宙の存亡を懸けた戦いに挑む姿を描いたSFアクション。8月1日に全米4080館で公開され、8月公開作品の週末興行収入でオープニング興収新記録を樹立するなど米国では今年最大のヒット作になっている。
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9歳の時に地球から誘拐されたピーター・ジェイソン・クイル(クリス・プラットさん)は20年後、自ら“スター・ロード” と名乗るトレジャー・ハンターに成長した。ある日、ピーターは謎のパワーストーン「オーブ」を発見し、換金しようとザンダー星のブローカーを訪れるが、宇宙に暗躍する“闇の存在”が送り込んだ暗殺者・ガモーラ(ゾーイ・サルダナさん)が待ち受けていた。賞金稼ぎのメカの天才、アライグマのロケット(声・ブラッドリー・クーパーさん)と相棒の樹木型ヒューマノイドであるグルート(声・ビン・ディーゼルさん)も加わり戦いを繰り広げた結果、逮捕されてしまう。投獄された銀河一危険な刑務所で出会った凶暴な囚人ドラックス(デイブ・バウティスタさん)を仲間に加えた5人は、それぞれの目的のために脱獄、無限の力を持つオーブの力で宇宙を滅亡させようとする“闇の存在”と戦うことになり……というストーリー。
マーベルコミック原作と聞くと「アベンジャーズ」シリーズに代表されるように、徹頭徹尾、“正義の味方”というイメージが強いかもしれないが、今作の主人公ピーターは性格は楽天的でプレーボーイ、さらには主人公チーム全員が犯罪歴があるなど設定からしてエッジが利いている。ヒーロー然とした人物像に比べれば親しみやすく、何よりもメンバーの一人一人の“キャラが立っている”。特にロケットの存在感は物語のフックになっていて、相棒であるグルートとの友情には思わずグッときてしまう。まさかアライグマと樹木に“泣きのツボ”を押されるとは夢にも思わなかった。これまでのマーベル作品の中でもユーモアが格段に多く詰め込まれ、笑いと泣きが交互に押し寄せ、クライマックスではすがすがしいほどのカタルシスを得られる。悪でも味方でもないヨンドゥ(マイケル・ルーカーさん)の存在感と能力の強さにはしびれる。劇中に流れる70年代のゴキゲンなポップソングも憎い演出だ。新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほか全国で公開。3Dも同時公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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