注目映画紹介:「黒執事 Book of Murder 下巻」 ファントムハイヴ家の連続殺人事件が完結

(C)枢やな/スクウェアエニックス・黒執事Project・MBS
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(C)枢やな/スクウェアエニックス・黒執事Project・MBS

 枢(とぼそ)やなさんの人気マンガが原作のアニメシリーズのOVA「黒執事 Book of Murder 下巻」(阿部記之監督)が15日に劇場で上映される。「黒執事」は、2006年9月から「月刊Gファンタジー」(スクウェア・エニックス)に連載中のマンガが原作で、19世紀の英国を舞台に名門貴族のファントムハイヴ家の少年当主シエルに仕える執事セバスチャンの活躍を描いている。今作は原作の「幽鬼城殺人事件編」を基に上下巻のOVAとして映像化。後編となる下巻では、ファントムハイヴ家で起きた連続殺人事件の謎が明かされる。

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 売れない小説家のアーサー(声・浅沼晋太郎さん)は、名門貴族のファントムハイヴ家で開催されるパーティーに出席するが殺人事件が発生。当主のシエル・ファントムハイヴ(声・坂本真綾さん)が容疑者とされ、事件の謎に気づいた執事のセバスチャン・ミカエリス(声・小野大輔さん)までもが命を奪われてしまう。セバスチャンを失ったシエルは事件解明に挑むが……というストーリー。

 上巻でセバスチャンが死に、いや厳密には悪魔であるセバスチャンは死なないわけだが、そんな緊迫した状況の中で後編を迎える。シエルとセバスチャンの役者ぶりには驚かされるとともにおかしみも湧いてくる。さらに上巻のラストで登場した牧師のジェレミーの声が小野さんという、原作を知っている人なら思わずニヤニヤしてしまう配役もサービス精神旺盛で楽しい。ともあれ本格推理ものの仕立てで進むストーリーに引き込まれ、またセバスチャンの活躍ぶりには目を見張るものがある。「黒執事」の人気を支えるセバスチャンの魅力が堪能できる作品だ。ミステリアスな事件の顛末(てんまつ)を心ゆくまで楽しみたい。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国10館で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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