注目映画紹介:「超能力研究部の3人」乃木坂46・秋元ら初主演 不思議な感覚の映像表現に驚き

「超能力研究部の3人」のワンシーン  (c)2014「超能力研究部の3人」製作委員会
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「超能力研究部の3人」のワンシーン  (c)2014「超能力研究部の3人」製作委員会

 アイドルグループ「乃木坂46」の秋元真夏さん、生田絵梨花さん、橋本奈々未さんが映画初主演を果たした「超能力研究部の3人」(山下敦弘監督)が6日に公開される。今作は、大橋裕之さんの短編マンガ「シティライツ」を原作にしたドラマ部分と、3人がアイドルから女優へ脱皮していくフェークドキュメンタリー部分を融合。超能力やUFOを真剣に研究する女子高生たちの青春という物語の進行と、3人の素の部分も交えたフィクションなのかドキュメンタリーなのか分からなくなりそうな不思議な魅力が詰まった野心作に仕上がっている。

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 北石器高校の超能力研究部に所属する村田育子(生田さん)、山崎良子(秋元さん)、小暮あずみ(橋本さん)の3人はある日、同級生の森正太郎(碓井将大さん)がスプーンを曲げるのを目撃し、強引に入部させる。森は人の心が読める能力も持ち、自分が宇宙人であることを3人に告白。3人は森が故郷の星に帰りたいのではと勝手に決めつけ、UFOを呼び寄せようと奮闘するが……というストーリー。

 どんなうたい文句の映画を見ても、ある程度、展開や映像を想像できたりするが、今作はとにかく予想以上で驚かされた。出つくしたかと思っていた表現方法にはまだ可能性があり、どこまでがドキュメンタリーでどこからがフィクションなのかさっぱり分からなかった。分からないのだが、決着を見せるドラマパートと3人が悩みながらも撮影を通じて成長していく姿が織り込まれることで、なんともいえない熱量で心を揺り動かされる。ドキュメンタリー風に演出した「モキュメンタリー」と似ているが、3人のアイドルとしての魅力が生かされていることに加え、女優になっていく過程を感情移入しながら見られる点に、どこか新しさを感じる。キスシーンやまさかのオチなど物語としての見どころも満載。とにかくスクリーンで見て驚きを実感してみてほしい。シネマート新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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