小新井涼のアニメ考:“オタ充”たちのクリスマス

「ちよ父」とクリスマスを過ごす小新井さん
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「ちよ父」とクリスマスを過ごす小新井さん

 週に約100本(再放送含む)のアニメを視聴し、アニメを使った町おこしのアドバイザーなども務める“オタレント”の小新井涼さんが、アニメにまつわるさまざまな事柄についてつづります。第6回は、小新井さんが独特のクリスマスの過ごし方について語ります。

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 12月25日が何の日かはご存じでしょうか。そう、平日です。ちまたでは「恋人たちのクリスマス」なんてうたわれてますが、三次元にロマンスがない非リア充な私にとってはただの平日……そう言って毎年現実から目をそらしてきました。

 しかしある時気付いたのです。恋人ならいるじゃないか……。そう、「画面の向こうの嫁」が! 二次元に永遠の夢とトキメキを持つアニオタにだってロマンチックなクリスマスはあるはずなのだと!

 そんな希望を胸に、リア充もうらやむオタ充なクリスマスの過ごし方をみつけるための私の実験は始まりました。ある年にいっそ大好きなキャラと一体化して過ごしてしまおうと行ったのは「コスプレクリスマス」。しかし真冬の所沢航空公園でふんした「忍たま乱太郎」の斎藤タカ丸の季節感ゼロな衣装は寒さのあまり、まるで修行をしているようでロマンチックなクリスマスとはかけ離れており失敗。

 別の年にはクリスマスデートを味わおうと「あずまんが大王」のちよ父の抱き枕を手作りして「イブの浅草を大好きなキャラと楽しくデート」したこともありました。しかし浅草のご老人がたには「ペットとお散歩」のように扱われてしまい恋人デートには至らずこれも失敗……。

 こうして数々の実験と失敗を繰り返してきた私ですが、昨年ついに!今までの苦労が報われオタ充な過ごし方にたどり着くことができたのです。究極にロマンチックなクリスマス「好きなキャラとのお家パーティー」に!

 きっかけは12月25日に催したリヴァイ兵長(進撃の巨人)の誕生日祝い。手作りケーキを食べながら家中から集めた兵長グッズに囲まれて進撃の巨人のアニメを見ていた私は思いました。「まるで二人きりで過ごすお家デートのよう……」

 そして気付いたのです。こ れ だ!と。

 ドキドキしながらパーティーの準備をする、ケーキやプレゼントを囲んで一緒にアニメを見て過ごす、そして周りの「クリスマス何してた?」との質問には「好きな人と二人きりで過ごした」と答える……これぞリア充かつオタ充なクリスマスの極みではなかろうか!

 兵長のようにクリスマスが誕生日のキャラをお祝いしつつ過ごしてもよし! もちろん誕生日関係なく好きなキャラと二人きりで過ごすもよし!! こうして私は追い求めていた幸福の極み、ロマンチックなオタ充クリスマスにたどり着いたのです……!

 まだまだ妄想力で補わなければいけないところが大きいこの方法ではありますが、ヘッドマウントディスプレーでもっとリアルなアニメキャラとのクリスマスを過ごせる日もいつか絶対やってくるでしょう。

 もう12月25日を平日として過ごすことも、自分のクリスマスだけ局地的に中止にするという現実逃避もしなくてよくなるのです。本当に二次元は最高だぜ! もし予定がなくて悩んでいるようでしたら今年はぜひあなたも自分の好きなキャラと過ごしてみてください。

 え? 二次元に走ることこそ一番の現実逃避? 気のせい気のせい!

 ◇プロフィル

 こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。

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