俳優の綾野剛さんが7日、東京都内で行われた「第88回キネマ旬報ベスト・テン」(キネマ旬報社主催)の授賞式に出席した。「そこのみにて光輝く」「白ゆき姫殺人事件」で主演男優賞を獲得した綾野さんは、作品と出合った感想を聞かれ、「(『そこのみにて光輝く』は)いかに自分がたかがしれてるのかを知らしめされ、それと同時に自分が底辺まで下がってきたときにこうやって光を当ててくれて……非常にドSな作品ですね」とユニークな言い回しで表現した。
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「そこのみにて光輝く」は1990年に亡くなった後、再評価されている作家・佐藤泰志さんの同名小説が原作。綾野さん主演で「オカンの嫁入り」(2010年)の呉美保監督がメガホンをとった。北海道函館市を舞台にひたむきに生きる男女の姿が描かれている。「白ゆき姫殺人事件」は「告白」などで知られる人気作家の湊かなえさんの同名小説が原作。化粧品会社に勤める美人社員を殺害した犯人を巡って、インターネットやテレビで人々のうわさが錯綜(さくそう)するサスペンスで、綾野さんは事件を追うワイドショーのディレクター役を演じている。
綾野さんは今回の受賞について「単純に、非常にうれしい」と喜びを表現しつつ、「(作品が)たくさんの賞をいただきましたが、このままだと(自分が)作品に敗北する気でいます。これだけ賞をいただくと、やっぱり『そこのみ~』がよかったなと言われてしまうので、次回作に意欲を燃やすきっかけをいただけたと思っています」と前向きに語った。
「キネマ旬報ベスト・テン」は、米アカデミー賞より1回多いという長い歴史を誇る映画賞。今回は2014年公開の映画を対象に同誌の選考委員が選出した。日本映画作品賞には「そこのみにて光輝く」が選ばれたほか、綾野さんが「そこのみにて光輝く」などで主演男優賞、安藤サクラさんが「0.5ミリ」などで主演女優賞を受賞した。
このほか、外国映画作品賞はクリント・イーストウッド監督の「ジャージー・ボーイズ」、文化映画作品賞は今井友樹監督の「鳥の道を超えて」が受賞。日本映画監督賞と読者選出日本映画監督賞は「そこのみにて光輝く」の呉監督、外国映画監督賞と読者選出外国映画監督賞は「ジャージー・ボーイズ」のクリント・イーストウッド監督、日本映画脚本賞は「そこのみにて光輝く」の高田亮さん、助演女優賞は「紙の月」の小林聡美さん、助演男優賞は「ぼくたちの家族」などの池松壮亮さん、新人女優賞は「愛の渦」などの門脇麦さん、新人男優賞は「アオハライド」「寄生獣」などの東出昌大さんが受賞。キネマ旬報読者賞は「映画を聴きましょう」により細野晴臣さんが受賞した。
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