歴史秘話ヒストリア:海軍の“アイドル”給糧艦「間宮」 艦内で極上スイーツ製造 

“海軍のアイドル”的存在だった旧日本海軍の給糧艦「間宮」=大和ミュージアム提供
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“海軍のアイドル”的存在だった旧日本海軍の給糧艦「間宮」=大和ミュージアム提供

 2日放送の「歴史秘話ヒストリア」(NHK総合)で、太平洋戦争中に戦地へ食料を運び、特に艦内で製造したようかんなどのお菓子が兵士たちから大人気で、“海軍のアイドル”的存在だった旧日本海軍の給糧艦「間宮」の秘話を放送する。

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 間宮は、現在の補給艦に当たる「給糧艦」として1923年に完工。巨大な冷蔵・冷凍庫を備え、艦隊や戦地に食料を届け続けた。当初は食料の輸送のみだったが、艦内に多数のキッチンを装備し、菓子職人を乗せて、ケーキやアイスクリーム、ラムネ、まんじゅうなどのお菓子を製造するようになった。1944年に撃沈されたが、乗組員の多くが菓子職人ら民間出身者だったため、その細部はあまり知られていなかった。

 番組では、生存する間宮の乗組員と、遺族に取材。英海軍で菓子を製造できる“スイーツ鑑”が大人気で、士気向上に貢献していることを知った乗組員が提案でキッチンを装備して、艦内での菓子作りができるようになった経緯を紹介。また、軍需物資だったことから、民間よりもいい材料が調達でき、全国から選り抜きの腕のいい職人を集まって、非常においしいお菓子が作れたため、特に「間宮ようかん」「間宮最中」が帰還兵のおみやげとしても喜ばれるほどの評判で、間宮を見つけた他の軍艦から手旗で「モナカクレ」と信号を送ってきたというエピソードが語られる。

 さらにほとんど武装をしていない間宮が戦争末期の1944年12月、南シナ海を航行中に護衛艦からはぐれ、米軍の潜水艦に撃沈された際の最期の秘話も紹介する。
 
 木道壮司チーフプロデューサーは5月に、同じく旧日本海軍の“幻の潜水艦”の伊400の映像を同番組のスペシャルで初公開し、大きな話題となった。間宮の企画は2009年の放送開始当初から上がっていたが、間宮も登場するゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」が女性を中心に大ブームになったことが、今回の放送のきっかけになったといい、「どれだけたくさんの人に、歴史に興味のない人にも見ていただけるか。歴史に興味を持っていただく“入り口”を作るのが使命」と話している。

 「歴史秘話ヒストリア お菓子が戦地にやってきた〜海軍のアイドル・給糧艦『間宮』」はNHK総合で2日午後10時から放送。

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