“世界のニナガワ”といわれ国内外で高い評価を受けていた舞台演出家の蜷川幸雄さんが12日、肺炎による多臓器不全のため亡くなった。80歳だった。
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蜷川さんは1935年10月15日生まれ、埼玉県川口市出身。55年に劇団青俳に入団し、68年に劇団現代人劇場を創立。69年に「真情あふるる軽薄さ」で演出家デビューを飾った。72年、演劇集団「櫻社」結成。74年、同劇団を解散後、「ロミオとジュリエット」で大劇場へ進出し、以降、国内外の現代劇から近松門左衛門、シェークスピア、ギリシャ悲劇など幅広い作品を次々と世に送り出している。
また、83年の「王女メディア」ギリシャ・ローマ公演を皮切りに、毎年海外公演を行い、その活動は海外でも注目され高い評価を得てきた。88年、「近松心中物語」の第38回芸術選奨文部大臣賞をはじめ受賞歴多数。映画「蛇にピアス」(2008年)やテレビドラマの監督も務めた。長女は写真家の蜷川実花さん。実花さんは12日午後6時21分にブログ更新し、「今日、父が逝ってしまいました。最期まで闘い続けたかっこいい父でした。父の娘でいられたことを誇りに思います」とつづっている。