人気グループ「嵐」の松本潤さんが主演を務めるTBSの日曜劇場「99.9-刑事専門弁護士-」(毎週日曜午後9時)に、主人公が居候する小料理屋の店長役で出演中の池田貴史さん。日本史を題材とした楽曲を歌うソロユニット「レキシ」をはじめ、キーボード奏者、ソングライター、プロデューサーとしてマルチに活躍してきたアフロヘアーがトレードマークの人気ミュージシャンだ。昨年、映画「海街diary」(是枝裕和監督)で銀幕デビューを飾っているが、今回が初の連ドラレギュラーとなる。佐野亜裕美プロデューサーが“三顧の礼”で口説き落としたという池田さんに、俳優業について聞いた。
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「99.9-刑事専門弁護士-」は、有罪率99.9%という刑事弁護の世界を舞台に、逆転不可能な状況の中、残された0.1%の可能性にこだわって事実を追求しようとする刑事専門弁護士たちの活躍を描いている。初回で今期の民放連ドラ最高となる平均視聴率15.5%(同)と好スタートを切ると、第2話で早くも今年の民放連ドラ最高の数字となる19.1%(同)を記録。その後も好視聴率をキープし、ここまで今期最大のヒットとなっている。
ドラマの好調の理由の一つに挙げられるのが、オヤジギャグを連発するちょっぴり“不思議ちゃん”の若手弁護士・深山大翔(松本さん)や、有能で傲慢だが年下の妻にはからっきし弱く、深山にも振り回されっぱなしの弁護士・佐田篤弘(香川照之さん)といった個性的なキャラがコミカルに絡み合う演出だ。中でも、佐野プロデューサーが「遊びの部分」として起用を熱望したのが、パラリーガル・明石達也を演じる「ラーメンズ」の片桐仁さんと、深山が居候する小料理屋「いとこんち」の店長で深山のいとこ・坂東健太を演じる池田さんだ。
池田さんは「まず自分は役者ではない、ミュージシャンなので、『本当にオレでいいんですか? できませんよ』ってことで最初は断ったんですね、もちろん自信もなかったですし……。でも何度も(佐野プロデューサーが)来てくださるので、根負けしたというか。最後には『逆にぜひ』って感じになっていたんですけど」と笑みを浮かべる。
オファーの時点で、アフロヘアーのまま出演することは決まっていたといい、池田さんは「もう演じていないんですよ。ほぼ素の自分、演技ができないという意味も含めて。坂東イコール素の自分というのがどこかしらにあって。実家が昔、食べ物屋をしていて、自分も食べ物屋で働いていた経験もあったし。すべてにおいてそのままの自分なんです」とを語った。
是枝監督は池田さんのライブにおけるMCの面白さやトーク力を買って「海街diary」に起用した。アドリブは得意分野のようにも思えるが、池田さんは「ある程度せりふが用意されていて、あとは『自由に』って言われるんですけど。アドリブなんて全然入れられない」と苦笑い。「せりふも家で覚えていっても、現場に入ると忘れちゃうというか、全然違うことを言ってしまうこともあって。とまどいしかない」と苦労を明かす。
さらに池田さんは「ライブではもちろん台本はないので、期待に応えたいけど、ドラマはやっぱりかってが違う。全然できていない自分がいて、毎回オレはちゃんとやれるのか、その心配ばかりですね」と反省しきり。「片桐(仁)君やマギーさんのほうがバンバン、アドリブの感じでやっているから、そこは『すごいな』って見ている。アドリブなんだけど、最初から決まっていたかのようにやっていて、役者さんってやっぱりすごいですよね。だからライブのMCなんてガンガンとやれちゃうんじゃないかって思うんです」と感心する。
今後の俳優業については「いやあ、極力(ない)」と消極的だったものの「3回オファーがきたら『やります』って言っちゃうかも」と笑っていた。
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