キッドナップ・ツアー:妻夫木聡が初の父親役で“ダメおやじ”に 「大人の仲間入りができたかな」

2日放送のNHKのドラマ「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」のワンシーン=NHK提供
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2日放送のNHKのドラマ「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」のワンシーン=NHK提供

 俳優の妻夫木聡さんが初めて本格的な父親役に挑戦したNHKのドラマ「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」が2日に放送される。金なし、仕事なし、妻にも見限られた“ダメおやじ”のタカシと、どこか冷めたところのある娘・ハルが、行き先や目的も分からない奇妙な“旅”を続けながら、徐々に心を通じ合わせていくさまを描く、ロードムービー仕立ての作品になっている。

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 ドラマは、直木賞作家・角田光代さんの同名小説(新潮文庫)が原作。夏休みのある日、小学5年のクールな女の子・ハルの前に、2カ月前に家から姿を消していた父親のタカシが現れる。タカシに“ユウカイ”されてしまったハルは、タカシの相変わらずのダメおやじぶりにへきえきしつつも、徐々にペースを乱されてしまい、いつしか2人は離れがたい存在になっていく……というストーリーが展開する。タカシを妻夫木さん、ハルを現在9歳の子役の豊嶋花ちゃんが演じ、木南晴夏さん、夏帆さん、新井浩文さん、ムロツヨシさん、満島ひかりさん、八千草薫さんらも出演。ドキュメンタリードラマ「開拓者たち」(NHK)などを手がけた岸善幸さんが脚本、演出を担当している。

 妻夫木さん扮(ふん)するタカシのダメおやじぶりは、グダグダ感と詰めの甘さが満載だ。そんなタカシをちょっぴり“背伸びしながら”客観視する、花ちゃん演じるハルの様子が何ともほほ笑ましい。もちろん、途中からまるで本当の親子のように見えてくる妻夫木さんと花ちゃんの息の合ったやり取りも大きな見どころになっている。

 現在35歳の妻夫木さんは「父親役は初めてではないが、親子が軸になる話は初めて」といい、「自分もそういう年になったのだと感慨深いものがありました」と今回の役を振り返る。そして「オファーは単純にうれしかった」と喜び、「ようやく大人の仲間入りができたのかな」と実感を込めて語る。妻夫木さん自身の理想の父親像は「(子供と)同じ目線でいろんなことを話しながら過ごしていける親子関係を築けたら」といい、このドラマを「親子の絆を再確認できるお話」とアピールする。

 花ちゃんは、妻夫木さんについて「お父さん役はお笑い芸人みたいな面白そうで、もうちょっと年上の人だと思っていたので、妻夫木さんだと聞いてびっくりした」と言っていたが、撮影で2週間を共に過ごすうちに「(妻夫木さんが)カメラのアングルを変えて何回も撮るので、毎回同じように演技することも勉強になったし、(一緒に遊んで)楽しくて、仲よくなれました」と笑顔で語った。

 「夏休みドラマ キッドナップ・ツアー」はNHK総合で2日午後7時半から放送。

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