堺雅人さん主演のNHK大河ドラマ「真田丸」で、豊臣秀吉(小日向文世さん)の正室・寧(ねい)を演じている鈴木京香さん。脚本の三谷幸喜さんの作品では常連の女優だが、今作で寧を“肝っ玉母さん”として描こうとした三谷さんに、鈴木さんは「体重を10キロ増やして」と要求されたという。さすがに鈴木さんがと難色を示すと、「顔だけ10キロ太ったようにしてください」と依頼されたと明かす。鈴木さんにドラマへの思いと役作りの秘話を聞いた。
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「真田丸」は、堺さんが真田幸村の名でも知られている戦国時代の人気武将・真田信繁を演じ、戦国時代に信州の小さな領主のもとに生まれた信繁が、家族とともに知恵と勇気と努力で乱世を生き抜く姿を描いている。三谷さんが2004年放送の「新選組!」以来、12年ぶりに大河ドラマの脚本を手がけている。
鈴木さんは「真田丸」の出演を「三谷さんが手がける大河ということで、何の役でも!と思っていました。寧のような素敵な女性ができるようになったのか……と興奮しました。(1981年放送の大河ドラマ)『おんな太閤記』が大好きなんです。(ねね=寧を演じた)佐久間良子さんが本当に素敵でした。三谷さんに『いつかかっぽう着の似合う日本のお母さんをやりたい』と話したことがありましたので、ひょっとしたら心の片隅に残してくださったのかもしれませんね。本当にうれしい」と喜ぶ。
鈴木さんは、三谷さんから「真田丸」における寧のイメージを“肝っ玉母さん”と伝えられたといい、「三谷さんには『体重を10キロ増やしてくれますか?』と言われたのですが、ほかの仕事を考えると……となり、『顔だけ10キロ太ったようにしてください』とお願いされました」と明かす。顔だけ太っているように見せるために「撮影前に水をたくさん飲んで、むくませるようにしています(笑い)」と体を張って役作りをしているようだ。
「真田丸」で、寧は秀吉も頭が上がらない“豊臣家のゴッドマザー”とも言える存在として描かれている。やはり三谷作品常連で秀吉を演じる小日向さんとの共演について「これまで何度も夫婦役をやっていますし、恋人役もあった。すんなり心の中に入ってきました」とうれしそうに話す。
ドラマで秀吉は、天下統一目前の場面から登場し、秀吉の立身出世の物語が描かれているわけではない。鈴木さんは、秀吉を支え、苦楽を共にしてきた過去がある寧を演じるにあたり、「過去の(秀吉が登場する)作品をいろいろと見ました。(過去の作品の寧と秀吉を)自分とこひさん(小日向さん)に置き換えながら見てました」と役作りに没頭したという。
「真田丸」では天下人・秀吉が老い、衰える姿が丁寧に描かれている。鈴木さんは衰えてゆく秀吉の姿を見ていると「あんなこともこんなこともあったな……と、こひさんの表情を見ていると、自然に笑みがこぼれてしまった。出世する前には楽しかったことがたくさんあったはずだから」と感じているという。
秀吉の嫡男・秀頼を産む側室・淀(竹内結子さん)に対する寧の複雑な心の動きも見どころとなっている。鈴木さんは、淀と寧の関係について「秀吉と寧は長年ずっと一緒にいたから、情が強くなる。結子ちゃんとは『女性同士の嫉妬心だけの関わりとは違う形でやりたいね』とよく話しています」と語る。
「『真田丸』の寧は大きな愛で見守るのがしっくりくる。母性を大切にしたい」と話す鈴木さん。寧は秀吉の最期をどのようにみとるのか? 豊臣家の滅亡に何を思うのか? “大きな愛で見守る”寧の今後も見どころになっていきそうだ。
「真田丸」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送。
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