劇場版アニメ「聲の形(こえのかたち)」(9月17日公開)で、主人公・石田将也の小学生時代の声優を務める松岡茉優さんがこのほど、アフレコを行った。松岡さんは「自分自身にとっても新しい試みで、はじめは声だけに演技をのせるのがこんなに大変なのかとすごく悔しかったですが、徐々に山田(尚子)監督との信頼関係も築けたと思います。声優と俳優というお仕事につながる懸け橋の兆しが見えた気がして、 本当に光栄です。将也君は私にとってかけがえのない少年になりました」と語った。
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また「声優のお仕事は3本目になるのですが、一番リアルに近かった作品で、普段実写でやっている役作りをしてみようと思いました。役として石田将也君を見つめ直してみると、悪気のない純粋な将也君が見えてきました」と話した。
山田監督は松岡さんの起用理由を「松岡さんが演じられていた役でとても大好きな役がありまして、小学生・将也のことを考えたときに、その子のことがふあっと浮かびました。きっとこの時に自分の中では松岡さんの将也と握手していたのだな、と思います。彼女の中にあるたくさんの感受性のどんな部分から将也が生まれてくるのか、とても知りたくなってお願いしました」と説明。
山田監督は松岡さんの演技を「テークを重ねるごとにたくさんの将也を見せてくださいました。松岡さんの中で将也がどんどん呼吸し始めて、動きまわっているのが手に取るように見えてきて、本当にわくわくしました。その間、松岡さんはずっと将也と対話されているようでした」と絶賛した。
「聲の形」は、聴覚障害を持つ少女・西宮硝子と、彼女へのいじめに加担していた過去を持つ少年・石田将也の孤独や絶望、愛などを描いた大今良時さんのマンガ。「別冊少年マガジン」(講談社)2011年2月号と「週刊少年マガジン」(同)13年12号に読み切りが掲載され、読者の反響や監修の全日本ろうあ連盟の後押しもあり、「週刊少年マガジン」で13年8月~14年11月に連載された。ヒロインへのいじめの描写が生々しいことなどから、掲載をめぐって編集部内でも意見が真っ二つに分かれた異色作としても話題になった。
アニメは「けいおん!」などの京都アニメーションが製作。「けいおん!」「たまこまーけっと」などの山田さんが監督を務め、「ガールズ&パンツァー」などの吉田玲子さんが脚本、「氷菓」「Free!」などの西屋太志さんがキャラクターデザインを担当する。入野自由さんが高校生になった石田、早見沙織さんが西宮を演じる。
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