女優の天海祐希さんが、10月13日から放送される主演連続ドラマ「Chef(シェフ)~三ツ星の給食~」(フジテレビ系、木曜午後10時)で、天才シェフ役を演じる。刑事や弁護士、キャスター、教師などさまざまな職業を演じてきたが、シェフ役は今回が初挑戦。台本を読んで「また一つ、自分を成長させる宝物が増えていくだろうと思いました」と期待に胸をふくらませている天海さんに、ドラマへの意気込みや自身のこだわりについて聞いた。
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天海さんが演じるのは、予約は3年待ちという三ツ星レストランで腕を振るっていた天才シェフ・星野光子。ある日、店のオーナーとトラブルを起こしてクビになり、テレビ番組の企画で学校給食を作ることになる……というストーリー。
三ツ星を持つ女性シェフは、実際は世界に1人しかいないという貴重な存在で、天海さんは「大きな世界に入っていく。でも奇想天外なことをやるなら(スケールは)大きい方がいい!」と気合い十分だ。
光子には「小さなこだわりがたくさんある。だからこそ、そこ(三ツ星女性シェフの地位)まで行けたんじゃないか」と考え、「修業でできることってある程度まで。個人が持っている味覚やアイデアもある。あとは、自分がどこまでこだわっていくか。その小さなこだわりが、(特別な存在となるための)距離を持っていく。厳しい世界だと思います」と料理人の世界に思いをはせる。
その上で「すごく真面目に演じることで面白いお話になったら。一生懸命取り組むがゆえに、ちょっとクスッと笑えるといいな。『こんなことないじゃん!』と思って笑っていただきたい」と意気込みを語った。
自身の性格を「いろんなことを引きずらないかな。バッと怒って、バッと(怒りが)なくなる。いい意味でも悪い意味でも、あんまりこだわらないんじゃないですかね」と分析する天海さん。さまざまな役柄を演じてきたが「役から自分が影響を受けるわけではない。とりあえず現場には、本人が行けばいいというくらい」と振り返る。
そして「(演じる)役柄が頂点、天海祐希が中間にあり、素の自分は一番下」といい、「役を演じているとき、お仕事に関しては、個人的問題では済まないことなので、より良いものができるまで粘るかもしれません。みんなが納得できるものを作っていくのが一番なので、妥協はあんまりない」と仕事への姿勢を語る。
また「天海祐希に関しては、応援してくださる方々に顔向けできないようなことはしない。正面を向いて立っていられないようにはしない。そうであるべき」ときっぱりと言い切り、強い思いをにじませた。
芝居や、天海祐希としての生き方に強い意志を見せる一方で、普段の生活について聞くと「こだわりは、ほぼないかも。自分のことは『このくらいでいっか』と。全部こだわるのは無理ですよ! 面白いことは何にもないですよ!」とちゃめっ気たっぷりに語る天海さん。
この日は紺のトップスに白いパンツ、深い赤のネイルというクールかつ、女性らしいファッションで取材に応じたが、普段のファッションへのこだわりは「ないですね。シワになりにくくて、ラクな感じ」といい、「だから、みんな本当にえらいと思う。朝、きちんとお化粧して、お洋服も選んで。私は、なんならジャージでもいい!」と語る。
アクセサリーなどもあまり身につけないものの、「腕時計は必ずしているかも。(時計があると)何か腕がかっこいいじゃないですか。一本あるだけで全然違うから」とこだわりをちらり。「香水は役によって変えちゃう」と笑顔を見せた。
また最近持ち歩いてるのは「梅酢。フードコーディネーターの方にいただいたんです。おいしくて! 小瓶に分けて持ち歩いてます。ご飯にかけるとおいしいんです」と明かしていた。
次回はドラマ「Chef~三ツ星の給食~」や、女優業について聞く。
<プロフィル>
あまみ・ゆうき。1967年8月8日生まれ、東京都出身。87年宝塚歌劇団に入団し、93年に史上最短で月組男役トップスターに就任。95年の退団後はドラマ、映画、舞台、CMなど幅広いジャンルで活躍し、95年度第33回ゴールデン・アロー賞演劇賞をはじめ受賞歴も多数。出演映画には「アマルフィ 女神の報酬」(2009年)などがあり、17年に映画「恋妻家宮本」が公開予定。劇場版アニメ「名探偵コナン 純黒の悪夢」(16年)にゲスト声優として出演した。また近年のドラマ出演は、連続ドラマ「緊急取調室」(14年)や「偽装の夫婦」(15年)、スペシャルドラマ「私という名の変奏曲」(同)がある。10月スタートの「Chef~三ツ星の給食~」で、初のシェフ役に挑戦する。