Nj:“視聴率を動かす”ダウンタウンDX元CPが歌手デビュー 「水どう」藤やんが後押し

「Nj」名義で歌手活動を始めた「ダウンタウンDX」(読売テレビ)の元チーフプロデューサーの西田二郎さん
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「Nj」名義で歌手活動を始めた「ダウンタウンDX」(読売テレビ)の元チーフプロデューサーの西田二郎さん

 「ダウンタウンDX」(読売テレビ)の元チーフプロデューサーの西田二郎さんが、「Nj」名義で歌手活動を始めた。病に倒れ、意識が薄れていく母のために曲を作り、耳元で歌い続けると、余命数日といわれた容体が一時持ち直すという経験もした西田さんの曲は、カラオケに収録され、22日には大阪市内で単独ライブを開く。“視聴率を動かす男”の異名を取るレジェンドが、アーティスト活動に取り組む思いを聞いた。

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 西田さんは、1989年に読売テレビに入社後、「EXテレビ」や「ダウンタウンDX」など人気バラエティー番組の演出を手がけてきた。1990年にはADを務めていた深夜番組「EXテレビ」で、視聴率調査機を持つ視聴者に、同時刻に放送が終了しているNHK教育テレビにチャンネルを変える呼びかけをする企画を出し、通常0%だった視聴率を約2%に押し上げ、日本民間放送連盟賞テレビ娯楽部門最優秀賞を受賞。「ダウンタウンDX」ではツイッター連動を仕掛けて、視聴率上昇を実証するなど“視聴率を動かす男”の異名を持つ伝説のプロデューサー。2015年に営業企画開発部長として制作現場から離れたが、現在は編成企画部長として番組企画開発に取り組んでいる。

 そんな西田さんが、本格的な音楽活動に取り組むようになったのは、人気バラエティー番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)で「藤やん」としておなじみの藤村忠寿エグゼクティブディレクターの存在があった。バンドを組むなど取り立てて音楽活動をした経験はなかった西田さんだが、番組制作の中で音楽には触れており、藤村さんと出演しているテレビ埼玉の番組で、戦隊ヒーローのミュージカルを作るという企画を立て、すべての楽曲を鼻歌で作曲するなど才能の片りんを見せていた。歌手としても2年前に仲間とカラオケに行った時、元々しゃがれていた声が突前高音が出るようになった。「『あれ!なんか出るわ!』と不思議と急に声が天から降ってくる感覚だった」と振り返る。

 「もしかしたら、この声で何か伝えることができるかもしれない」と思い始めたところ、藤村さんが大衆演劇の一座を立ち上げ、西田さんがオリジナル曲を提供。幕あいのステージで、ライブで歌うようになり、2014年の大みそかには、テレビ埼玉の番組で、西田さんのリサイタルを開催。「紅白からチャンネルを変えると、知らないおっさんが歌っている」とツイッターなどで話題となった。藤村さんは「二郎の曲は、一度耳についたら離れない。ずっとループしてる!」と絶賛している。

 そんな西田さんは2015年に大阪に転勤。母と大阪市内の実家で暮らすこととなったが、母が突前倒れた。脳に腫瘍が発見され、容体が急激に悪化。意識も混濁し、医師からは「余命数日」との宣告を受けた。そんな時、西田さんは、作詞が好きだった母が、父の亡くなったときに書いた歌詞を偶然見つけた。母が生きているうちにと、メロディーを考えてレコーダーに吹き込み、番組制作で付き合いがあるピアニストの栗本修さんがアレンジし、翌日には仕上がった。こうして出来上がったオリジナル曲「水の流れのように」を、西田さんが母の耳元で歌うと、目を開き、無表情だった顔をほころばせたという。母はその後3カ月以上生きることができた。西田さんは「音楽がすごく人を元気にさせるという、根源的なパワーを知った」と語る。

 その感動体験はSNSなどで拡散され、番組制作で知り合った「第一興商」のカラオケに収録されることにもなった。西田さんの番組で栗本さんと共に音楽を担当した男性2人組ボーカルユニット「C&K」のCLIEVYさんとKEENさんは「西田さんは、いつもいろんなアイデアを話をしてくれて、話しているとこっちもワクワクしてくる。いつの間にか、夢を広げてくれる人で、そんな西田さんだからこそ歌える歌なんだろうなと思いました」と話している。

 大阪初となるライブは22日午後2時と午後8時の2回、大阪市北区のライブハウス「GANZtoi,toi,toi」で開催。栗本さんや、西田さんがクリエーティブオフィサーを務める「京都フィルハーモニー室内合奏団」のギタリストaki miyoshiさんらが出演する。入場料は前売り3500円(当日3800円、1ドリンク付き)、問い合わせは「GANZtoi,toi,toi」(06・6366・5515)へ。

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