「エヴァンゲリオン」シリーズなどの庵野秀明監督が1日、東京都内で行われた劇場版アニメ「メアリと魔女の花」(米林宏昌監督)の公開記念トークイベントに、同作を手がけるスタジオポノックの西村義明プロデューサー、ドワンゴの川上量生(のぶお)会長と登場。アニメーションの「背景」などがこの日のトークテーマで、庵野監督は「背景美術がその作品の世界観を決めます」ときっぱり。さらに宮崎駿監督をはじめとする先輩アニメーターたちの“手描きの背景”も「残していきたい」と思いを明かした。
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イベントは「でほぎゃらりー株主鼎談 ~いま、アニメーション背景を語る。~」と題して、背景美術スタジオ「でほぎゃらりー」の設立者である川上さん、庵野監督、西村プロデューサーが、スタジオ創設の経緯に加え、手描きの背景美術について語った。
“手描きの背景”を「足し算」と語る庵野監督は、「どこまで足す(描く)かっていうところが手描きのよさ。描くところで必ず誤差が出るのもいいところ」と説明。さらに「宮さん(宮崎監督)のレイアウトはいい加減。でもそこがいい(笑い)」と会場を沸かせると、「手描きはどんどん全体的に厳しくはなっていく。デジタルの方が効率はいいし、儲かる。そういった中でこういった伝統工芸なものはなるべく残していきたい。廃れてはいくとは思うし、どうしても主流にはなれないけれど、そういったところで手描きにはあらがってほしい」とも語った。
「メアリと魔女の花」は、「借りぐらしのアリエッティ」などで知られる米林監督の新作劇場版。英国の女流作家メアリー・スチュアートさんが1971年に出版した児童文学「The Little Broomstick」が原作で、背が低く、クセ毛に赤毛にそばかすの平凡な11歳の少女メアリが、ひょんなことから奇想天外な大冒険に巻き込まれ、勇気を持って前に進む姿が描かれる。杉咲花さんが主人公・メアリを演じるほか、神木隆之介さん、天海祐希さん、小日向文世さん、満島ひかりさんらが声優として出演する。8日公開。
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