現役引退を発表したプロテニスプレーヤーの伊達公子選手が7日、有明コロシアム(東京都江東区)で現役引退会見を開いた。1996年に一度現役を引退し、2008年に復帰してから9年半戦った伊達選手は、「自分に声をかけるとしたら?」という質問に「十分やったという自分がいる。半面、まだやめなくて済むのなら正直やめたくない」と現役への未練を隠さず、尽きないテニスへの思いを明かした。
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伊達選手は会見冒頭、「2度目の引退会見ということでお集まりいただき、ありがとうございます」とあいさつ。ひざの故障に加え、若いころに持っていた肩の故障も再発し、引退を決めたのは米国から戻った後の8月上旬ごろだったことを明かした。
痛みについては「しょうがないのでいいのですが、練習量がこなせなくなってきたのがつらい。心と体のバランスが崩れはじめてしまったので、(引退を)受け入れるしかないのかな。(痛みさえなければ)まだやれる思いがないわけではない」と揺れる胸中を明かした。
また「3度目の復帰の可能性は?」と聞かれると、笑いながら「さすがにそれはないですね。もちろん、やれるものならやりたい。『(12日の引退試合で)あれ? 痛みなくやれたよね。引退撤回します』と言いたいが、さすがにそれはないかな……」と話した。今後については、「引退試合に集中していて考えていない」としながらも、「1回目の引退のようにラケットを握りたくない、コートに戻りたくない、というふうにはならないと思います」と答えた。
9年半の戦いについて「こんなに幸せなアスリートもそういないのではないかと。2度も世界のトップレベルを戦えるチャンスを得ることができた。自分も想像できなかったこと」と振り返った。08年に復帰したセカンドキャリアで印象に残ったのは、11年にウィンブルドン選手権の2回戦で、ビーナス・ウィリアムズ選手に惜敗した試合を挙げた。
伊達選手は、アジア出身の女子テニスプレーヤーとして、史上初めてシングルス世界ランキングでトップ10入りを果たし(最高4位)、グランドスラムの3大会(全豪・全仏・ウィンブルドン)でベスト4に進出。1996年にトップ選手のまま引退した。その後、2008年に現役に復帰すると、周囲の予想を裏切って若手選手を次々と撃破。ツアー優勝を飾り、グランドスラムに出場するなど活躍していたが、最近は故障に悩まされていた。
伊達選手は「ジャパンウイメンズオープンテニス」の2日目(12日)に出場。試合はWOWOWプライムとWOWOWライブで放送される。またWOWOWの特別番組「生出演!伊達公子 引退スペシャル あなたの笑顔が大好きだった」が18日午後7時からWOWOWプライムで放送される。特番には、伊達選手が出演し、46歳まで挑戦したテニス人生を振り返り、WOWOWの取材映像を織り交ぜながらテニスへの思いを語る。
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