名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
声優の田中理恵さん、KENNさんが吹き替えを務める海外ドラマ「ヒューマンズ」が、インターネット動画配信のHulu(フールー)で配信されている。人間に代わってどんな仕事もこなす最新の高機能AIロボット「シンス」が普及した現代が舞台のSFサスペンスだ。家庭で使用人として働く人間そっくりのロボット・アニータ役の吹き替えを担当してアニメのアフレコの何倍もの予習時間をかけて臨んだという田中さん。KENNさんは劇中で逃亡したシンスたちと行動を共にするレオの声優を務めた。2人にアフレコの様子や「ロボットが人間と暮らす未来」などについて聞いた。
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田中さん 高度化が進んだロボットが普通に家庭に1台あって、使用人として働いている世界です。だから、私たちからすると非現実的な世界なんですけど、いつか未来にはそういうことが起こりえるのかな、という。医療機関でもロボットのほうが上だったり、そういうことが普通になっている。その中である家庭がロボット(アニータ)を購入して、そこから不可解な出来事がいろいろ起こる……というストーリーから始まります。
KENNさん しかも、そのロボットは車ぐらいの値段で買えてしまうんです。体が不自由な方のために保健所からロボットが派遣されることもあります。ロボットは、人間と遜色ない姿をしているので、そんなロボットがどう家族の中に入って関係を構築していくのかという、人間関係がすごくリアルに描かれています。
田中さん 人間同士の関わり合いの中にロボットが親密に密接に関わってくると、人間関係ってどうなっていくんだろう……と、すごく考えさせられるドラマになってますね。
田中さん 最初はすごく違和感がありました。人間の姿をしているのに、(劇中ではアニータを演じている)女優さんがしゃべってるのに、「アンドロイドっぽくしゃべんなきゃいけないんだよな、これ」という。だから、最初は映像を見ながら英語の音声を聞いて、その後は音を全部消して口の動きだけを見て声を当ててみたりとか、ずっと研究しました。いろいろ試行錯誤して、やっと1話目のオンエア分のアフレコをなんとか切り抜けた感じですね。
KENNさん いやいや、完璧でしたよ。全然とちらないし。
田中さん とちってた(笑い)。私は海外ドラマがすごく好きで、Huluの配信をいろいろ見ているんですよ。ただ、自分で実際吹き替えをやるとなると、こんなに大変なことなんだって実感しました。だから、通常のアニメーションのアフレコ予習の倍の倍の倍の倍ぐらいの時間をかけてやった感じですね。それでも、全然合わないこともあって「もう、どうしよう」って、冷や汗が出ることもありました。
KENNさん レオは、お芝居の面でいうと、他のロボットたちと違ってかなり人間臭いというか。吐息や息づかいなどの細かいお芝居が多くて、そこはやりがいがありました。アニメはセリフを言うタイミングが決まっているんですけど、吹き替えの場合は、演じている役者さんと全く同じタイミングで息を吸ったり吐いたりするので、アニメとはまた別の面白さがありますよね。
田中さん 吹き替えの場合は、女優さんや俳優さんの芝居に忠実にやっていくというのが新しい発見でしたね。
田中さん アニータは、無表情でいたり丁寧語を話すのですが、その中にも何かを含んでるような感じに見えるキャラクターですね。「この女、何かちょっと危ないんじゃない」「普通のロボットとはちょっと違う」という、家庭に不穏な影を落とすようなミステリアスな雰囲気がある。
KENNさん レオは、自分の中で抱えてる信念があって、それを達成させるためにひたすら突き進むんです。その行動自体も、ものすごくエネルギッシュで純粋です。ただ、決して強い男じゃないんです。弱いくせに頑張っちゃうところが「応援したい」と思わせるキャラクターですね。
田中さん 人工知能って、なんとなく怖いなって印象があって。アナログな私からすると……まあ、アナログでもないんですけど。
KENNさん いやいや、ゲームをかなりやって使いこなしているでしょ。
田中さん 今、うそついた(笑い)。IQがものすごく高くて、ほぼ完璧なロボットが現れたら脅威ですよね。それが、もし暴走して独り歩きし始めたらどうなるんだろうとか、征服されないんだろうかとか、危機意識を感じます。もちろん、そんなロボットがいたら、すごく便利にもなりますし、一家に1台欲しいという気持ちもありますけど、自分で意識を持って独り歩きしたら、どうしようという不安が強いですね。
KENNさん 僕も、機械がすごく発達してしまうと、人間を超えてしまうんじゃないかという怖さはあります。でも、介護の分野だったり、本当に困っている人たちに対してロボットがアシストできるのはありがたいと思います。あとは、僕は車の運転が苦手なので、ロボットが運転してくれたらいいな……と。
田中さん たしかに便利だけどね。でも、やっぱり怖いですよね。家族にロボットが浸透しすぎて、家庭の在り方とかも全部変わっちゃいそうな気がする。お母さんがご飯作るっていうのも無くなっちゃったりしそう。
KENNさん だからこそ、ロボットや人工知能がどんどん発展していったら、アナログなことがとても大事で、楽しいと思えるのかもしれないですね。手紙を書いたりとか、自分の足でいろんな場所に行って景色を見たりとか、そういうものが貴重に思えるというか。
KENNさん 俺、田中さんのシンスより勝ってる部分を知ってますよ。コミュニケーション力です。数年前、違う現場でご一緒させていただいた時に、たまたま同じゲームにハマっていて、田中さんはすごく率先して教えてくれたんです。今回も座長として、すごく皆さんに気を使ってくださっています。いつもすごくおいしい差し入れを持ってきてくれるんですよ。
田中さん いや、もう全然そんな……汗だらだら出てきちゃう(笑い)。シンスと人間を比べると、シンスは表情など人間独特の表現をまねているだけなので、やっぱり下手ですよね。だから、KENNくんのシンスよりも勝っているところは、笑顔もそうですし、コミュニケーション力もすごく高いです。先輩への気遣いをすごくしてくれる方で、やっぱり一緒に仕事をしていて気持ちいいですよね。
KENNさん あ、泣いちゃいそう(笑い)。きょうはよく眠れそうです。
「ヒューマンズ」は、人間に代わり家事や仕事をこなす高性能人型ロボット「シンス」が普及する、現代に近い世界が舞台。ホーキンス家では、忙しい妻のローラに楽をさせるために1体のシンスを購入して、アニータと名付ける。しかし、全て精巧にプログラミングされたロボットであるはずのアニータのふとした表情や言動に、ローラや長女のマティーは違和感を覚え始める……というストーリー。
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