M-1グランプリ2025 アナザーストーリー
新王者たくろう完全密着!解散危機を乗り越えた“軟弱の星”が掴んだM-1ドリーム
12月28日(日)放送分
WOWOWは「WOWOWオリジナルドキュメンタリー」枠として、「ノンフィクションW」と「国際共同制作プロジェクト」の2番組を両輪に、国内外のさまざまなテーマを扱ったオリジナルのドキュメンタリー番組を放送している。11月26日午後8時半からWOWOWプライムで放送される「ノンフィクションW ドルフィン・マン~ジャック・マイヨール、蒼く深い海へ」の番組プロデューサーを務めたWOWOW制作局制作部の内野敦史エグゼクティブプロデューサーに、番組の魅力を聞いた。
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――番組の概要と魅力は?
リュック・ベッソン監督の映画「グラン・ブルー」。その題材となった伝説の素潜りダイバー、ジャック・マイヨールの波瀾(はらん)万丈な人生を深く描いたドキュメンタリー作品です。ギリシャ、フランス、カナダなどとの国際共同制作として企画したもので、ギリシャの監督を中心とした制作チームを結成しました。世界中を旅しながら“海と対話し続けた”マイヨール……そのゆかりの土地と人々を丹念に撮影取材し、紡ぎ出した力作です。
――今回のテーマを取り上げたきっかけと理由は?
2年前のアムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で、WOWOWが海外の映像制作者に向けて“企画募集”のプレゼンをしたのがきっかけでした。そこに参加していたギリシャとフランスのプロデューサーから提案を受けた形です。私は90年代のラジオディレクター時代にマイヨールにインタビューをした経験があり、当時の彼が日本で人気があったことを知っていました。この企画ならば、彼の人生、精神の重要な部分を占める日本のパートをWOWOWが撮影プロデュース参加できるし、構成や編集にも十分寄与できる、そう判断し参画を決めました。
――制作中、一番に心がけたことは?
ジャック・マイヨールにとって、幼少のころに見た唐津(佐賀県)の海を潜る海女の方々の姿は、彼の一生を形作るための原点となりました。日本との絆は友人の成田均さんとの間で1960年代の終わりから大切に育まれてきたものです。その後、数十年にわたり、さらにその人脈の輪は広がり続けました。人生の後半は、水中写真家の高砂淳二さんらとの深い交流がマイヨールにとって支えになっていたのです。こうした“日本との心の通い合い”を、いかに本編の中にしっかり構成できるか、これが私にとってとても大切な作業でした。
――番組を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったエピソードは?
うれしかったことは、この長編作品のスピンオフ企画としてVRの作品も制作することができたことです。実は2年前に企画が提案された際にはVRの企画書も一緒になっていました。しかし当時はまだ今ほどVR自体に日本国内では話題性がなく、社内で企画を通すのに大変苦労しました。その後、共同制作したフランスのプロデューサーと熱心に話し合いを続け、いかに長編作品とVRがユーザーにとって有効に相互作用するかを根気強く関係者に説いて回りました。その結果、水深100メートルの世界や、イルカやクジラと戯れる……まさに“疑似体験”できるコンテンツを完成させることができました。先立っての東京国際映画祭では、映画祭30年の歴史上初となる“VRを作品として”楽しんでいただく環境も、作ることに成功したのです。
―-番組の見どころを教えてください。
何と言ってもこの長編作品中、物語をナビゲートしていく“声”に注目(注耳?)していただきたいです。“ジャック・マイヨールの独白”という演出で進行していくのですが、そのナレーションを担当してくれたのは、なんと映画「グラン・ブルー」で主役としてジャック・マイヨールを演じたジャン・マルク・バールその人なのです。私は実際にパリで行われたその収録にも参加したのですが、深みのある声が本当に素晴らしかったです。僭越(せんえつ)ながらご本人とも親交を深めさせていただきましたが「あの映画があったからこそ今の自分がある。このドキュメンタリーで今度はマイヨール自身の声を演じることに、何か縁のようなものを強く感じたよ」とおっしゃっていたのが印象的でした。ぜひジャン・マルク・バール渾身(こんしん)の独白ナレーションをお楽しみください!
――視聴者へ一言お願いします。
今回の作品の最も重要な要素の一つでマイヨールの親友ともいえる成田均さんへ、インタビュー取材に応じていただいたお礼を伝えたくて、11月26日初回放送の直前になりましたが、千葉県館山市にあるダイビングショップを訪ねてきました。30年以上親交を深めてきた成田さんは何度も目を潤ませながら、「ジャックが本当に伝えたかったことを、残された我々が責任を持って次世代に伝えていかなくてはいけない。そういう場を作りたいんです!」と語られました。マイヨールが亡くなった年齢に近づいてきたことでその思いを最近特に強く意識しているそうです。私もこうして番組制作者という立場によって“ドルフィン・マン”からのメッセージを視聴者の皆さんへお届けできることができて大変うれしく思っています。ぜひ、見て、聞いて、感じてください!
WOWOW 制作局制作部 エグゼクティブプロデューサー 内野敦史
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