小野大輔:「宇宙戦艦ヤマト2202」第4章の見どころ語る デスラー役の山寺宏一は「青い炎のような熱量」

アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」で古代進の声優を務める小野大輔さん
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アニメ「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」で古代進の声優を務める小野大輔さん

 人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の第4章「天命篇」が27日、劇場上映される。第4章は人気キャラクターのデスラーが登場することも話題になっている。上映を前に主人公・古代進役の小野大輔さんに、これまでの展開や第4章の見どころについて聞いた。

ウナギノボリ

 ――第3章は、古代とヒロイン・森雪の愛が描かれました。

 第3章はとにかくつらかったですね。僕ら演者は役のことを知ろうとしますし、その情報を得た後に自分の感情を乗せていきます。つまり、その最初のアプローチには客観性が必要なのですが……。この展開には、自分がこの古代の状況に置かれたら、という主観的な考え方をせずにはいられなくなりました。そこで自分を投影し過ぎてしまうと古代進ではなく小野大輔になってしまうので、そこは役でありたいと考えるのですが。悩みましたね。

 ――第3章で古代は決断を迫られました。

 多くの市民が乗った3艦のどれか1艦だけを助けてやる。選ばないと全員死ぬことになる。あの悪魔の選択を突きつけられたら、自分なら何も言えなくなってしまうんじゃないかと思うんです。それなのに、古代は「選ばない」と。常識的な発想を飛び越えていますよね。人間の精神力ってそこまでいけるんだって。古代進という人はヒーローだと思います。自分がもし出題者だったら「えええ~?」ってなりますよ。理屈が通用しないなって。見方を変えれば、格好悪いですよね。「選ばない」という、だだをこねているわけですから。

 ただ、あそこで格好をつけない、あれを真っ向から言えるのが古代だと思います。ほかのキャラなら言わないし、言えない。考え過ぎて言葉が出なくなるかもしれない。あそこは本当に僕も苦しくて、精神的に自分を追い詰めた上で、本当だったら発せない、口がカラッカラになりながら、それでも言う。その感覚、痛みを感じながら演じていました。

 ――古代にとって試練が続きました。

 福井(晴敏)さんからもアフレコの度に「この第3章はずっと無理をさせます。ここは試練なので乗り越えてください」と言われていました。ですから、その後の雪へのプロポーズは「ヤマト」をやっていて、古代をやっていて、本当の意味で報われた感じというのがありましたね。でも、これが第3章のタイミングということは、全然まだ終わりじゃないなっていう感じもしています。製作発表会の頃から福井さんは「試される愛を描こうと思っています」と言っていたので、随分と試されましたし、ここから先もまた試されるんだろうなと覚悟しています。

 ――第3章のラストからデスラーが登場しました。デスラー役の山寺宏一さんとは久々のアフレコになるのでしょうか?

 (前シリーズの)「2199」の時は、人数が多かったためヤマト側とガミラス側で分かれて収録をしていました。その時に「一緒にアフレコできたらいいね」という言葉をいただいていて、僕も「山寺さんと掛け合いしたいです」とお話ししていて、それがやっと実現した感じです。

 久しぶりに会ってもデスラーはあのままで、誰も到達できない高みにいっている気がします。我々ヤマトクルーはある種、値踏みをされていて、動揺もさせられながら、そこに必死に熱量をぶつけていくというような感覚でした。デスラーは何者なのか? とにかく強そうだし、底が見えないほどにミステリアスです。昔からそうなんですよね。勝てる気がしない。

 でも、今回は逆にデスラーも人なんだなと感じられます。これを見たかったんだなと思うんです。詳しくは言えませんが。デスラーの重厚感、冷静で理知的というキャラクター造形は、なぜそうなったのかはほとんど語られていなかったんですけど、その謎がちょっとずつひもとかれていくお話になっていると思います。

 ――山寺さんが演じるデスラーの魅力は?

 山寺さんが演じられるデスラーが、クールでミステリアスかつ情熱的で、とても魅力的です。静かに燃え盛っている青い炎のような熱量を、そのお芝居から感じます。デスラーの声を聴いて、改めて山寺さんは本当に素晴らしい演者さんだと感じました。

 ――デスラーが青い炎なら、古代は?

 燃え盛る赤い炎ですね。その違いは間違いなくあります。劇場に見に来ていただければデスラーも愛に生きている人だと感じてもらえると思います。古代やヤマトだけでなくデスラーも「愛の戦士たち」の一人だと思います。

 ――第4章では、ガトランティスとの戦いも本格的になっていくようです。

 やっとですね。ある意味ここからはヤマトの真骨頂になっていくんじゃないでしょうか。敵ともそうだし、自分ともそう。第4章では戦うというところに主軸が置かれているので、男臭くて熱いですね。掛け値なしに、艦隊戦は格好いいですよ。あと、空間騎兵隊がよい。昔から「ヤマト」を好きな方たちにも早く見てほしいです。ぜひ、その迫力を楽しんでいただきたいですね。

 ――最後に第四章を楽しみにしている人にメッセージをお願いします。

 いきなり第四章から見ると分からないこともあると思いますが、冒頭に「これまでのあらすじ」もありますので初心者の方もご安心ください! 劇場で見ていただくのが一番いいなと思うスケールの大きさで描かれています。その大きな愛を感じていただければと思います。

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