99.9II:新シーズンで裁判官を加えた理由 弁護士・検事・裁判官のトライアングルを描く

連続ドラマ「99.9-刑事専門弁護士- SEASONII」について語った瀬戸口克陽プロデューサー
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連続ドラマ「99.9-刑事専門弁護士- SEASONII」について語った瀬戸口克陽プロデューサー

 人気グループ「嵐」の松本潤さんが変わり者の刑事専門弁護士役で主演するTBS系「日曜劇場」枠の連続ドラマ「99.9-刑事専門弁護士- SEASONII」(日曜午後9時)が好調だ。シーズン1で描かれた弁護士VS検事の構図に裁判官を加えたトライアングルを描くことを掲げた同局の瀬戸口克陽プロデューサーに、その理由と描き方の工夫などを聞いた。

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 「99.9-刑事専門弁護士-」は、有罪率99.9%という刑事弁護の世界を舞台に、逆転不可能な状況の中、残された0.1%の可能性にこだわって事実を追求しようとする斑目法律事務所の刑事専門弁護士たちの活躍を描く。シーズン2は、主人公の刑事専門弁護士・深山大翔(みやま・ひろと)を松本さん、深山とチームを組む敏腕弁護士の佐田篤弘を香川照之さんが前作に引き続き演じるほか、元裁判官の新ヒロイン・尾崎舞子役を木村文乃さん、深山の前に立ちはだかる東京地方裁判所所長代行のエリート裁判官・川上憲一郎役で落語家の笑福亭鶴瓶さんも出演する。

 ◇法のトライアングルを「エンタメで届ける」

 シーズン1制作で進めてきた弁護士や検事への取材で、瀬戸口プロデューサーは「刑事事件における有罪率99.9%という異常な数字の原因は裁判官にもあるのでは」と思い当たった。そこで、シーズン2では裁判官の実情を描くことにした。第2話では、0.1%の可能性にこだわる弁護士の深山と、検事をやめて弁護士となった「ヤメ検」の佐田、裁判官をやめて弁護士になった「ヤメ判」の舞子という3人がそろい、それぞれの立場でのリアルな意見をぶつけ、26年前の事件の事実を導き出した。

 瀬戸口プロデューサーは「選挙の時に、実は我々はよく知らずに、裁判官の承認(最高裁裁判官の国民審査)をしちゃっているんです。このシリーズでは、法のリアルを社会派番組として届けるのではなく、エンターテインメントとして(ドラマで)届けることで、より多くの人たちに知ってほしい」と力を込める。シーズン2で裁判官を加えたことで「これまではある意味“勧善懲悪”の展開でドラマが描かれていましたが、それは踏襲しつつ、トライアングルができたことで、複雑さが出てくるはず」と期待を寄せる。

 ◇制作側の思いをせりふで伝える

 元弁護士や検事、元裁判官などを取材していく中で、瀬戸口プロデューサーは「『こんなことが解決しないのか』というもどかしさ、なるほどと思ったことなどを、深山やキャラクターに(せりふで)言ってもらっています」と語る。

 第1話では、人情味あふれる訓戒を法廷で語った鶴瓶さん演じる裁判官の川上に、深山が「すべてを知ってるわけじゃないのに人生を説くなんて、なんて無責任なんですかね」と辛らつなせりふを投げかける。「裁判官の訓戒は、我々もいいこと言うな、と思って聞くが、それが許せないという弁護士さんの話を聞いた。法律の専門家だから法律のことを言うのは当然だが、人生を語る資格はないんじゃないか。裁判官はある種のエリートで狭い世界で生きてきているのに、人生訓を言えるのか。だから、あのせりふを深山に言わせました」と説明する。

 第2話では、香川さん演じる佐田が「検察は、最後に裁くのは裁判官だと言う。裁判官は、検察が挙げてきた証拠だと言って判決を下す。我々弁護士も、時に依頼人の利益を優先して、打算的になることがある。裁かれる人の人生には、誰も責任を負おうとしない」と現在の日本の司法の問題点をズバリと指摘する。「裁判というのは、一体誰のためにあるんでしょうね」とぴしゃり。

 ◇裁判官の問題をどこまで描けるか

 第2話で殺人犯とされた深山の父が冤罪(えんざい)だったことが明らかになり、シーズン1から積み残していた“宿題”は終わった。第3話以降、新たな事件が展開されるが、シーズン2で裁判官の問題をどこまで描けるのか。ヤメ判・舞子の第2話最後のせりふ「弁護士の立場から、法曹界を見直したいと思います」という決意表明は、そのまま今後への期待につながっている。ドラマは毎週日曜午後9時に放送。第3話は28日午後9時から放送される。

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