女優の麻生久美子さんと俳優としても活躍するシンガー・ソングライターの峯田和伸さんが1月30日、東京都内で開かれたスイス・フランス合作の劇場版ストップモーションアニメ「ぼくの名前はズッキーニ」(クロード・バラス監督、10日公開)のプレミア上映会に登場。声優初挑戦の峯田さんは「僕だけ本番のレコーディングの前に練習する機会があったんですけど、全然うまくいかなくて……」と苦労を明かしつつ、レコーディング風景を振り返った。
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映画は、母を亡くした9歳の少年ズッキーニが、預けられた孤児院で、一緒に暮らす子供たちと成長していく姿を描く。ズッキーニの声を峯田さんが担当するほか、ズッキーニが一目ぼれする少女カミーユを麻生さんが、ズッキーニのことを気にかける心優しい警察官レイモンを、リリー・フランキーさんが演じる。第89回米アカデミー賞で長編アニメーション賞にノミネートされたほか、アニメーション専門の映画祭アヌシー国際アニメーションフェスティバル(2016年)で最優秀作品賞・観客賞をダブル受賞した。
峯田さん、麻生さん、リリーさんがそろった状態で声を収録。麻生さんは、峯田さんが「(時間を計る)タイムコードぴったりに合わせてせりふを言うんです。私はそういうのは得意な方ではなくて、(キャラクターの)口を見てやってしまう」と話すと、峯田さんは「口を見てやれるということはせりふが(頭に)入っているから。俺は入ってないから」と自身の弱点を告白。
それでも麻生さんが、「峯田さんは独特の低い声なんですけど、すごく愛らしいズッキーニが出来上がって、私はなんの違和感もなく(映画を)見ました。可愛かったです」と出来栄えをたたえると、峯田さんは「自分の子供の部分みたいなところから、声を出しました」と役(声)作りについて明かした。
また、峯田さんは、麻生さんと2人で「いい感じ」で収録していたところに、「あとからリリーさんが来てぶち壊して(笑い)」と暴露しつつ、「でも、リリーさん、それ(収録)まで散々ふざけていたのに、マイクの前に立つと全然違うんです。感動しました」とリリーさんの役者魂に感服していた。
注目してほしい部分として峯田さんが挙げたのは「音」。「音楽も含めて、風の吹く音だったり、歩く靴の音だったり、車が来る音だったり、すごく細部までこだわっていると思いました」と語り、とりわけハエの音が聞こえたことには驚いたようで、「大人になると当たり前過ぎて見えなくなったり、聞こえなくなったりするものでも、子供には全部新鮮だと思うんです。子供の感性に近づけているような気がします」と映画の素晴らしさについて表現した。一方、麻生さんはカミーユの最後の涙を挙げ、「いろんなことを考えさせられるいいシーンなので、みなさんにも見ていただきたいです」とアピールした。映画は10日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)、YEBISU GARDEN CINEMA(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(りんたいこ/フリーライター)
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