名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
岡田麿里さんが初めて監督した劇場版アニメ「さよならの朝に約束の花をかざろう」が24日に公開された。主人公マキアの声優を務めたのが石見舞菜香さん。配役が決まってから1年間、毎日のように台本を読み続け、クライマックスシーンのアフレコでは「どうしても涙が出てしまった」と語る石見さんに、作品の見どころやアフレコ現場の様子などについて聞いた。
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「さよならの朝に約束の花をかざろう」は、10代半ばで外見の成長が止まり、寿命は数百年というイオルフ民族の少女マキアが主人公。「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民は、ヒビオルという布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らしていたが、彼らの長寿の血を求め、メザーテの軍が攻め込んでくる。なんとか逃げ出したものの、仲間も帰る場所も失ったマキアは、親を亡くしたばかりの赤ん坊と出会い、エリアルと名付ける……というストーリー。
石見さんは、初めて脚本を読んだ時のことを「純粋にお話を見ようと思って読んでいたんですけど、読み終わった後は放心状態で、言葉にならない感情が自分の中に生まれて……。こんな作品を、私はちゃんとできるかなっていう不安が、やっぱり最初はすごくありました」と振り返る。
そんな不安を抱えたままアフレコに臨んだ石見さんは「最初は緊張もあって、ちょっと背伸びして頑張って演じていた」という。そんな時、岡田監督から「今不安でしょ? そのままでいいから、無理にキレイにしゃべろうとしなくていいから、その不安な気持ちのまま、そのままでしゃべってごらん」というアドバイスを受けたと話す。
「マキアちゃんが私に近い性格だったこともあって、岡田監督にも音響監督にも『そのままで』と一番言われたかもしれないです。『声も作らずに、そのままで一生懸命にしゃべったらマキアになるから』と言われました」と石見さん。マキアは不安を抱えながら、幼いエリアルを母親として懸命に育てようとする。マキアの不安と自身の不安がリンクする部分も多かったという。
マキアは、見た目は少女のままだが、エリアルが成長するにつれ、内面は母親として成長していく。加齢で声が変わるキャラクターではないが、石見さんは「最初は頼りない、自信がないキャラクターから、エリアルやいろんな人と出会って中身が成長して、最終的には強い女性、母親になるという変化をつけられたらいいなと思いました」と役作りについて語った。
石見さんが悩んだのは「どうしたらマキアが母親でいられるか」だった。エリアルは、子供時代を子役の声優が演じ、青年になってからは入野自由さんが演じている。成長し声が変わるエリアルに対して「母親で居続けるのが難しいなと思いました。エリアルが成長して、マキアと同じぐらいの年齢の見た目になるので、自分の中で整理を付けるのが難しくて。岡田監督ともたくさんお話をさせていただいて『青年になってもマキアの中ではエリアルはずっと子供。それは変わらない』という意識を持って演じていました」と思いを語った。
本作には、茅野愛衣さん、日笠陽子さん、沢城みゆきさんら第一線で活躍する声優が集結している。そんな中でのアフレコは「いろんな方に支えていただいた現場でした」と石見さん。自身について「スタジオにこもってずっと悩んじゃうタイプ」といい、本作の現場でもそんな場面があったという。「そんな時に茅野さんが『息が詰まっちゃうから』と外に連れ出してくださって、いろんな相談に乗ってくださったりとか、『ちゃんとご飯食べてる?』と心配してくれた」とエピソードを明かした。
クライマックスのシーンのアフレコについて、「台本をいただいてから1年ちょっとの間、毎日のように読んでいたんですけど、どうしても涙が出てしまって。その時も皆さんにティッシュをいただいて(笑い)。いろんな方がそうやって支えてくれるのがありがたかったです」と振り返った。
改めて見どころを聞くと、「私自身、完成した作品を見た時に、一つの作品をみんなで全力で作り上げた、愛にあふれた作品なんだなというのが伝わってきました。この作品は、性別や年代によって見方が変わる作品だと思います。実際にお子さんがいるお母さんが見たら共感できるシーンがあったり、逆にエリアルのようなお母さんに時にはツンと冷たくしてしまう青年が見たら、また別の感じ方をするかもしれない。親子そろって見たらきっとすてきだなって。お互いの大切さに気づける作品だと思います」と語った。
マキアとエリアル、彼らが出会う人々、イオルフの民のさまざまな絆と愛が描かれる本作。石見さんが思い悩みながら演じたマキアの成長に注目したい。
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