浅野忠信：21年ぶり「日プロ大賞」主演男優賞に　高良健吾が初受賞の廣木監督を祝福

　俳優の浅野忠信さんが「第27回日本映画プロフェッショナル大賞」（日プロ大賞）の主演男優賞を受賞し、26日に東京都内で開かれた授賞式に出席。今回、「幼な子われらに生まれ」（三島有紀子監督）で主演男優賞に輝いた浅野さんは「本当にうれしいです。現場では（役と同様に）ずうずうしくわがままにやらせていただきました。こうしてたくさんの人に認めていただいた」と喜んだ。

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　浅野さんは、1996年に公開された映画「Helpless」（青山真治監督）で「第6回日プロ大賞」の主演男優賞を贈られて以来、21年ぶりの受賞。「あの当時は何も考えてなかったですね。ラッキーでしたね。あの時もわがままだったけど（笑い）」と振り返っていた。

　また、「彼女の人生は間違いじゃない」の廣木隆一監督が監督賞を初受賞。実行委員長で映画ジャーナリストの大高宏雄さんが「これまで何度も受賞のチャンスがあり、遅くなって申し訳ありません」と謝ると、廣木監督は「遅すぎますよ」と苦笑い。会場には、廣木監督の「彼女の人生は間違いじゃない」に出演した俳優の高良健吾さんが花束を持って祝福に駆け付けた。高良さんは「（2011年に公開された映画）『軽蔑』で廣木監督にお世話になって、その時に花束を贈ってもらった。今回は花束を渡せてうれしい」と感慨深げだった。同作では、主演の瀧内公美さんが新人女優賞も受賞した。

　「日プロ大賞」は1992年にスタートした映画賞で、「評価が高いにもかかわらず、他の映画賞で受賞に至らなかった作品、さまざまな理由から興行面でいい結果が出せなかった作品」などにスポットを当てているのが特徴。今年で27回目で、授賞式には浅野さんらのほか、「勝手にふるえてろ」（大九明子監督）で主演女優賞を受賞した松岡茉優さん、「武曲 MUKOKU」（熊切和嘉監督）で新進男優賞を受賞した村上虹郎さん、特別功労賞を受賞した大林宣彦監督らも出席した。

　◇各賞の受賞作、受賞者は以下の通り。（敬称略）

　作品賞：「勝手にふるえてろ」（大九明子監督）▽監督賞：廣木隆一（「彼女の人生は間違いじゃない」）▽主演男優賞：浅野忠信（「幼な子われらに生まれ」）▽主演女優賞：松岡茉優（「勝手にふるえてろ」）▽観客賞：河村光庸（「あゝ、荒野」）▽特別功労賞：大林宣彦（長年の功労に対して）▽特別賞：田中信（OP PICTURES）▽新進男優賞：村上虹郎（「武曲 MUKOKU」）▽新人女優賞：瀧内公美（「彼女の人生は間違いじゃない」）▽新人監督賞：石川慶（「愚行録」）