女優の石原さとみさんが4年ぶりの舞台出演となった主演舞台「密やかな結晶」が、30日にWOWOWで放送される。同作は、石原さんが自ら舞台化を切望し、実現した作品だといい、石原さんは「(原作の)小説を読んだときに、一瞬でその世界に入り込めました。これは、映像ではなくて舞台で表現したい、この世界に入り込みたいと思いました」と話す。番組内のインタビューで、石原さんは久しぶりに“舞台”と向き合った日々について語っている。
ウナギノボリ
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舞台は、芥川賞作家の小川洋子さんによる同名小説を原作に、鄭義信さんが脚本・演出を担当した。海に囲まれた静かな小島に住む小説家の<わたし>(石原さん)が主人公。島では、“消滅”が起こる。“消滅”が起こると、それにまつわる記憶も失われる。わたしの母は、秘密警察に連行され死んでいて、父も亡くなったため、わたしは<おじいさん>(村上虹郎さん)とともに暮らしていた。しかし、この島にも記憶が消滅しない人たちがいて、わたしの担当編集者<R氏>(鈴木浩介さん)は、島の人々が“記憶保持者”と呼ぶ人間のひとりだった。秘密警察が“記憶保持者”を見つけて連行する「記憶狩り」が激化する中、わたしはR氏を守るため、自宅の隠し部屋に彼をかくまうことにして……というストーリー。
舞台との出合いについて、「舞台を好きになったきっかけは、つかこうへいさん。20歳そこそこの私に存分に愛情を注いで指導してくださいました」と明かした石原さん。「ど正面で真っすぐ、自分の言いたいこと、伝えたいことを客席に届けるということを学んで、映像ではない舞台ならではの経験をさせてもらいました」と振り返る。
稽古初日は、トップに流れる「消滅の歌」から始まったといい、「音楽を聴いた瞬間に鳥肌がたちました。こういうのがやりたかった、と心から感じたんです。怖さという作品に必要な要素が歌に凝縮されていて、この歌がすごく好きです」と話す。
また、鄭さんから舞台ならではの呼吸の仕方や、響かせ方の演出を受けたといい、「とにかく大きく、はっきりと言葉を言ってみたら、感情が後からのってきたんです。動作や自分が発した言葉、声の大きさによって感情が湧き上がってくるのを感じて、これかって思いました。突き刺すように伝わってくるんです、熱が」と振り返る。
そして、「映像だと1冊の台本をみんなで話し合いながら何度も試すなんて、そんなにできないから、そういうことできることで(作品を)深めていっているなという実感がありましたね」と話す。ラストシーンは夢を見るくらい悩んだといい、「(観劇する)その人の人生によって受け取り方が違うエンディングだなと思います」と見どころを語った。番組は、WOWOWライブで30日午後8時放送。
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